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YEN蔵の外国為替見聞録

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新興国通貨の上値は重い

2020年04月24日

週初上昇した新興国通貨は21日から3日間続けて下落しています。
先進国通貨でのドルの上昇はすでに峠を超え、先進国の通貨はまちまちの動きになっていますが、新興国通貨では引き続きドルの上昇、新興国通貨の下落が続いています。


新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント


【トルコリラの材料と予測】

トルコの対外債務残高は4330億ドルほどあり、これは中国を除いた新興国の中では割と規模の大きいほうです。これに対してトルコの外貨準備高は1010憶ドルほどであり、南アフリカに比べると多いのですが、それでも新興国の中では少ないほうです。このことはトルコ中央銀行も懸念しているようで、19日のウイサル・トルコ中央銀行総裁は他の中央銀行と新たな通貨スワップ協定について協議を行っていることを明らかにしました。外貨準備はいざというときに通貨防衛の介入資金になるため、多いにこしたことはありません。ただ現状このニュースがトルコリラの買い材料とはなっていません。
トルコの注目指標は24日に4月の設備稼働率、29日に4月の経済信頼感指数、30日に3月の貿易収支トルコ中央銀行金融政策決定会合議事要旨の発表があります。
ドルトルコリラは一時1ドル=7.008リラまで上昇し最近のリラの安値を更新しました。2018年8月13日の7.15リラに迫っており、このレベルを維持できるかどうかが短期的には重要なレベルとなります。

TRY/JPY 1時間足BIDチャート


リラ円は21日に15.325円まで下落しましたが、一時15.447円まで反発しています。2018年11月の高値22.065円付近起点のフィボナッチ・エクスパンション1.618倍は15.02円となっており、やはり節目の15円は重要なサポートレベルとして意識されます。
短期的には15.32円がサポートとなり14日に下抜けするまでサポートされた15.80円付近がレジスタンスとなり15.30~15.80のレンジを想定します。


【南アフリカランドの材料と予測】

21日にラマポーザ大統領はGDPの10%に相当する総額5000億ランドのコロナウィルス対策を発表し、段階的にロックダウンを解除する方針を示しました。南アフリカは激しい水準のロックダウンを導入していますが、4月30日にその期限を迎えます。南アフリカ中央銀行は南アフリカ経済が6.1%のマイナスになると予想、エコノミストの予想では今年が4.9%のマイナス成長、来年が2%のプラス成長と予想しています。
これに対して南アフリカ準備銀行は5月の会合でも利下げが予想されています。
来週の南アフリカの指標は29日に3月の消費者物価指数、30日に3月の貿易収支が発表されます。
今週のドルランドは1ドル=19.1792ランドまで上昇し、先週の終値18.7932ランド付近から1.75%ほどドル高ランド安が進んでいます。4月6日の19.347ランドが当面のランドの安値の目途になっていますが、ここを上抜けした場合には節目の20ランドを目指す動きを予想します。

ZAR/JPY 1時間足BIDチャート

ランド円は23日に5.599円の安値まで下落後に5.683円まで反発しましたが、5.75円付近が短期的なレジスタンスになっています。

5.599円を維持できれば5.599~5.75円のレンジ、下抜けした場合は5.5円付近を下値の目途と予想します。


【メキシコペソの材料と予測】

弱い経済状況や格下げ、金融緩和などを受けてメキシコペソは下落しており、引き続きペソ安は継続するものと思われます。
17日に格付け会社ムーディーズはメキシコ国債の信用格付けをA3からBaa1に引き下げました。また国営石油会社ペメックスの格付けもBaa3から投資不適格のBa2に引き下げました。
ペメックスは大手格付け会社フィッチもすでに投資不適格に格下げしており、このためペメックスの債券が売られメキシコから資金流出の可能性も指摘されています。
メキシコは昨年からマイナス成長になっており、今回原油価格が下落したことも産油国のメキシコ経済にとってはマイナス材料になっています。
このため21日にメキシコ中央銀行は政策金利を0.5%引き下げて6%としました。また最大7500億ペソ規模の金融システム支援策も打ち出しました。
今後のメキシコの経済指標は27日に3月の失業率、28日に3月の貿易収支が発表されます。
メキシコペソは対ドルで先週の終値の1ドル=23.7162ペソから24.8059ペソまでドル高ペソ安になっています。
4月6日のドルの高値1ドル=25.7812ペソが当面の目途になります。

MXN/JPY 1時間足BIDチャート

ペソ円は4.335円まで下落しています。短期的には今週の高値4.5円がレジスタンスとして意識されます。4月6日の安値4.22円が当面のサポートレベルとして意識されますが
4.2~4.5円のレンジが予想されます。

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プロフィール

  • 著者近影 YEN蔵(田代岳)(えんぞう(たしろがく))
    投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。 為替を中心に株式、債券、商品、仮想通貨と幅広くマーケットをカバーして、分かりやすい解説を行っている。


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