FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

YEN蔵の外国為替見聞録

最新の記事

新興国市場の動きはまちまち

2020年05月08日

先週は米中の摩擦が再燃したことでオフショアの人民元がドル高人民元安になるなど新興国通貨もまちまちになっています。米中の争いは感染症をめぐる情報公開論争から通商問題まで発展しそうな勢いです。これを受けてオフショアのドル人民元は1ドル=7.1560元まで上昇し3月16日の週以来の人民元安となりました。今後米中関係と人民元の動きには注意が必要です。


新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント


【トルコリラの材料と予想】

今週の新興国通貨の中で南アランドもメキシコペソも上昇しましたがトルコリラは下落しました。
4月22日にトルコ中央銀行は金融政策委員会で政策金利である1週間物レポレートを1%引き下げて8.75%としました。これは先週すでに書きましたが、感染拡大による経済の減速をサポートするための政策でした。しかし市場はリラ売りで反応し、その流れが続いています。
トルコの外貨準備はすでに枯渇しているのではないかとの憶測がマーケットでは広まりつつあります。市場ではリラ安への介入などもあり、7月初めまでに金準備を除く外貨準備が底をつき、9月には金も含めて準備が枯渇するのでないかとの観測もあります。
これに対して4月30日にウイサル・トルコ中銀総裁は外貨準備の減少は一時的で新たなスワップ協定については協議を続けていると発言しました。
また5月6日にアルバイラク・トルコ財務相は外貨準備高が枯渇するとの心配は必要なく資本統制の必要はないと発言しました。
アルバイラク財務相は、外貨準備の拡大のために通貨スワップ協定の締結に関しては楽観的になっていると述べており、主要国の中央銀行に対して求めている通貨スワップの締結に対しては前向きな考えを示しています。
しかし年初400億ドル超あった外貨準備は250億ドルほどに急減しており、スワップの部分を除いたネットの外貨準備はすでにマイナスになっているのではないかとの憶測も呼んでいます。
ドルトルコリラは先週レジスタンスになっていた7リラを上抜けし5月6日に7.2036リラまで上昇し2018年8月13日に付けた7.1514リラを上抜けしてリラは最安値を更新、5月7日には7.2687リラまでさらに安値を更新しました。
リラ円は2018年8月13日の安値15.525円を下抜けし14.611円まで下落し安値を更新しました。
トルコ当局がシティ、UBS、BNPパリバに対してトルコリラの取引を停止するように指示したようです。トルコ当局の意図はリラ売りにストップをかけることで、これによってショートカバーが起こっています。
ドルトルコリラは7.26から一時7.11台に下落しリラは最安値から反発しています。いったん安値を付けたドルトルコリラは7.0がサポートとなり7~7.25のレンジが予想されます。

TRY/JPY 1時間足BIDチャート


チャートはリラ円の1時間足です。リラ円は14.611円から一時15.003円まで反発しました。
15円付近は一目均衡表の雲と30日の高値15.378~14.611円の50%戻しに当たります。ここが上抜けできないと14.611~15円のレンジが予想されますが、14.80~90円付近を底固めできれば、15円を再度試しに行き、ここを抜けてくると61.8%の15.10円、78.4%戻しの15.20円付近への戻しを狙えそうです。
ただ外貨準備が底をついているのであれば、リラの戻りは本格的な戻りではなくあくまでショートカバーとなる可能性が高く、積極的にロングにする局面ではないと思います。


【南アランドの材料と予測】

ZAR/JPY 1時間足BIDチャート

チャートはランド円の1時間足です。今週のドルランドは18.30~18.90のレンジでの動きになっています。ランドの下落が19.19ランド付近で止まり一時18ランド付近までランドが反発しましたがランド安はいったん小休止してもみ合いが続いています。
ランド円は7日に5.614円まで下落しましたが5.743円まで反発しましたが一目均衡表の雲がレジスタンスになっています。
4月23日の安値5.599円、今回の5.614円と5.6円付近は重要なサポートラインとして機能しています。ここが維持できれば5.6~5.9円のレンジ継続を予想します。

【メキシコペソの材料と予測】

MXN/JPY 1時間足BIDチャート

チャ―トはペソ円の1時間足です。今週のドルメキシコペソは24.90付近がレジスタンスとなり一時23.80付近目でペソ高が進みました。
ペソ円は4月30日に4.502円まで上昇後に4日に4.286円まで下落しましたが、再び4.469円まで上昇となりました。ペソ円は4月6日に4.22円まで下落した後は4.655円まで反発しましたが安値圏で底固めの段階と思われます。
引き続き4.4円を中心に4.24~4.5円のレンジでの動きを予想します。

※レート等は8日午前4時ごろまでのものをもとにしています。

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 YEN蔵(田代岳)(えんぞう(たしろがく))
    投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。 為替を中心に株式、債券、商品、仮想通貨と幅広くマーケットをカバーして、分かりやすい解説を行っている。


FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引、証券取引、および暗号資産CFD取引(暗号資産関連店頭デリバティブ取引)に関するご注意


【パートナーズFXおよびパートナーズFXnano】
パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの建玉必要証拠金金額は原則、一般社団法人金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第31項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。但し、一般社団法人金融先物取引業協会が為替リスク想定比率を算出していない通貨ペアにつきましては、一般社団法人金融先物取引業協会と同様の算出方法にて当社が算出した為替リスク想定比率を使用しております。取引手数料は無料です。なお、外貨両替については1通貨あたり0.20円、受渡取引については1通貨あたり0.10円の手数料をいただきます。

【CFD-Metals】
CFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。

【証券】
国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.75%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,750円(消費税込み)をいただきます。有価証券のお預りが無く、一定期間証券口座のご利用が無い場合等は、別紙 ①「手数料等のご案内」に記載の 証券口座維持管理手数料1,100円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

【暗号資産CFD】
暗号資産は法定通貨(本邦通貨又は外国通貨)ではなく、特定の者によりその価値を保証されているものではありません。暗号資産は、代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り代価の弁済に使用することができます。暗号資産CFDは、取引時の価格の変動により、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。暗号資産CFDの取引に必要な証拠金は、取引の額の50%以上の額で、証拠金の約2倍までの取引が可能です。取引にあたり、営業日をまたいで建玉を保有した場合にはレバレッジ手数料が発生します。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会 一般社団法人日本暗号資産取引業協会

このページの先頭へ