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YEN蔵の外国為替見聞録

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パウエル発言を受けて円安の流れ

2020年08月28日

注目されたパウエルFRB議長のカンザスシティ連銀主催の年次シンポジウムでの発言でしたが結果的には織り込み済みとなりました。イベントを通過して米長期金利上昇しています。米10年債利回りは0.6%付近から0.78%付近まで上昇しましたがドル円以外はそれほどドル高になっていません。新興市場国の通貨もランドはドル安ですがリラと、ペソはドル高とまちまちの動きです。しかしドル円の上昇でクロス円を含めて円安の流れとなっており、新興国通貨もリラ、ペソ、ランドともそろって円安の流れになっています。


新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント


【トルコリラの材料と予測】

今週ここまで(28日正午ごろ)ドルトルコリラは7.3184オープン、7.3622クローズで0.6%の上昇、リラ円は14.37円オープン、14.484円クローズで0.79%の上昇となっています。
トルコは東地中海でのガス採掘をめぐってギリシャともめていて地政学的リスクが再燃しています。ギリシャはこの海域で軍事演習を予定しており緊張が高まっています。
これに対してトランプ大統領がミツオキタス・ギリシャ首相とエルドアン・トルコ大統領に対して電話会談で対話を促す仲介を行ったようです。
トルコには地政学的リスクだけではなく、インフレの問題など多くの問題を抱えていますが、地政学的リスクの解決が進むのか注目材料になります。
ドルトルコリラは7.4付近が短期的なレジスタンスになっています。ここがレジスタンスになれば7.2~7.4のレンジが想定されます。

TRY/JPY 日足BIDチャート

リラ円は8月10日の安値14.079円がサポートされ反発しています。14.30付近が短期的なサポートとなり、ここが維持できれば14.30~14.65のレンジを想定します。


【南アフリカランドの材料と予測】

今週ここまでドルランドは17.1495オープン、16.9807クローズで0.98%の下落、ランド円は6.156円オープン、6.291円クローズで2.19%の上昇となっています。
世界的に株価が上昇したことでリスクオンの流れとなりランドはサポートされました。
26日に発表された南アフリカの7月消費者物価指数は前月比1.3%(予想1.2%、前月0.5%)前年比3.2%(予想3.1%、前月2.2%)と予想を超えて上昇しました。
南アフリカ中央銀行は3月以降利さげを急ピッチに行い政策金利は3.5%まで低下しています。しかしインフレ率の上昇を受けて緩和政策が一時休止する可能性もあり金融政策に注目が集まります。
ドルランドは一時16.7226まで下落しましたが、17.1095まで反発しました。17.14に一目均衡表の転換線、17.05付近に基準線が位置しており17.15付近が短期的なレジスタンスになっています。ここが抜けなければ16.70~17.15とランドが堅調な流れが継続、17.15付近を上抜けした場合は17.35付近への上昇を予想します。

ZAR/JPY 日足BIDチャート

ランド円は25日に6.356円まで上昇後に一時6.221円まで下落しましたが一時6.194円まで上昇しました。6.3円付近が一目均衡表の雲の上限があり、ここが短期的なレジスタンスになっています。
ここが抜けなければ6.2~6.3円のレンジ、上抜けした場合は前回高値の6.35円付近への上昇を予想します。


【メキシコペソの材料と予測】

先週のドルメキシコペソは22.015オープン、22.0876クローズで0.33%の上昇、ペソ円は4.802円オープン、4.837円クローズで0.73%の上昇となりました。
24日に発表されたメキシコの消費者物価指数は前年比で3.99%と前回の3.59%、予想の3.7%を上回り上昇しました。
メキシコ中銀のインフレ目標は3%±1%なので今回の結果はその上限に迫ってきていますが、メキシコ中銀は1~2年の時間軸ではインフレ率は目標の3%に向かうとの見通しを継続しています。ただインフレ率の上昇でここまでの利下げサイクルが一旦休止する可能性も出てきました。利下げ休止がペソに追い風になるのか注目です。
ドルペソは22.50付近から今週は21.82付近まで下落してペソ高になっています。しかし昨日のパウエル発言を受けて22.22付近まで反発しました。21.80付近は6月以降のサポートレベルになっており引き続き21.80~22.50のレンジを予想します。

MXN/JPY 日足BIDチャート

ペソ円は24日に4.862円まで上昇しましたが4.797円まで下落しました。このレベルがサポートされ4.84円付近まで上昇しましたが4.82円付近で推移しています。
4.8円付近が短期的なサポートとなり、ここが維持できれば4.8~4.86円のレンジ、下抜けした場合は4.76円付近への下落を予想します。

レンジは28日正午ごろまで、チャートは3時ごろのものです。

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プロフィール

  • 著者近影 YEN蔵(田代岳)(えんぞう(たしろがく))
    投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。 為替を中心に株式、債券、商品、仮想通貨と幅広くマーケットをカバーして、分かりやすい解説を行っている。


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