新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【南アフリカランドの材料と予測】
8月31日にラマポーザ南ア大統領は与党ANC(南アフリカ民族会議)のNEC(全国執行委員会)が党内、社会全体の汚職問題に取り組むため断固たる行動をとることで合意したと会見で語りました。
3日間にわたって行われたNECの会議でラマポーザ大統領はANC議長続投と汚職防止対策の支持を取り付け党内での基盤を固めることに成功しました。
会議の前にはラマポーザ大統領の辞任の動きも噂されており、このことが一掃され政治的な安定が戻ったことでランドの買い戻しの動きとなりました。
今週のドルランドは16.5901オープン、16.8099クローズで1.32%の上昇となりました。ドルランドは三角持ち合いに入っており、20日移動平均線が16.9886、60日移動平均線が17.0909に位置しこのレベルが短期的なレジスタンスになっています。16.52付近が三角持ち合いの下限になっていますが、16.377付近に250日移動平均が位置し、ここが重要なサポートになっています。16.37~17.09のレンジが来週も継続と思われます。
ZAR/JPY 日足BIDチャート
ランド円は6.336円オープン、6.314円クローズで0.35%の下落となりました。ランド円も6.23~6.39もレンジで推移しています。一目均衡表の雲の中の動きになっており、6.39円を上抜けできれば7月22日の高値6.54円付近への上昇を予想します。6.23円を下抜けした場合は6.10円付近への下落を予想します。
【トルコリラの材料と予測】
東地中海でトルコとギリシャの緊張が続いています。
この問題に対してはEUがトルコに対する経済制裁を検討しており、制裁内容はトルコ船舶の欧州の港への寄港禁止、EU正式加盟候補国からトルコの除外などが挙げられています。
1日にポンペオ米国務長官はキプロスに対する武器禁輸措置を33年ぶりに解除し、同国と安全保障面と協力を強化していくと表明しました。
キプロスはトルコがサポートする北キプロスとギリシャがサポートする南キプロスに分断されており、トルコにとっては地政学的リスクが高まり四面楚歌の状態に近づいています。
3日に発表された8月のトルコ消費者物価指数は11.77%と前回の11.76%、予想の11.86%を下回りました。一方で8月の生産者物価指数は11.53%と前回の8.33%、予想の10.7%を大きく上回って上昇しました。
生産者物価指数は消費者物価指数の先行指標になっており、今後消費者物価指数の上昇が予想されます。
ここまで主要政策金利を据え置き、補完的な金利の変更で対応してきたトルコ中央銀行が、エルドアン大統領の圧力を排して利上げに踏み切れるかどうか注目されます。
ドルトルコリラは7.3239オープン、7.44クローズで1.59%の上昇となりました。地政学の問題、インフレ率の上昇を材料にリラ売りが続いています。7.3に20日移動平均線が位置し、ここが短期的なサポートとなっています。
TRY/JPY 日足BIDチャート
リラ円は14.326円オープン、14.247円クローズで0.55%の下落となりました。リラ円は8月10日に14.079円と最安値まで下落後は14.30~14.658円のレンジで推移しています。リラ円は14.65~14.75円付近が中期的にレジスタンスになっており、ここが上抜けできなければリラ円は下落トレンド継続とみています。短期的には14.30~50のレンジを予想します。
【メキシコペソの材料と予測】
メキシコ中央銀行は8月26日に四半期インフレレポート公表しました。インフレ見通しに関しては上方修正するとともに、経済見通しは下方修正しました。インフレが上昇するのであれば、今後の利下げは一時休止する可能性もあり、声明では今後の決定はインフレなどの指標次第と述べています。
一方で景気減速が続くのでは金融緩和の継続が期待されます。
インフレ率に関してはメキシコ中央銀行のインフレ目標3%±1%の上限に近づいており、利下げはあってもあと1回、しかも0.5%ではなく0.25%でないかと予想します。
今後はインフレ率、経済成長の動きを見ながら政策金利の動きを注目指定と思います。
ドルペソは21.8155オープン、21.6928クローズで0.56%の下落となりました。ドル安の流れを受けてドルペソも下落しドル安ペソ高の流れが続いています。22ペソに20日移動平均線が位置し、ここが短期的なレジスタンスになり、21.46付近に250日移動平均線が位置しており、このレベルは6月9日の安値とほぼ一致します。21.46付近が維持できれば21.46~22のレンジ、下抜けした場合は21ペソ付近への下落を予想します。
MXN/JPY 日足BIDチャート
ペソ円は一目均衡表の転換線が位置する4.8円がサポートされ一時4.932円まで上昇しました。
ここまでレジスタンスになっていた4.864円がサポートされ、ここは6月5日の高値5.103円から8月4日の安値4.626円の50%戻しに当たります。ここが維持できれば61.8%が4.921円、76.4%戻しが4.992円となり、このレベルがターゲットになります。
4.864円を下抜けした場合は4.8円付近への下落を予想します。
レンジとチャートは4日0時ごろのものです