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YEN蔵の外国為替見聞録

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株価が不安定な中で新興国通貨にも売り圧力がかかっている

2020年10月16日

新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント


【トルコリラの材料と予測】

先週9日に1ドル7.9524リラまでドル高リラ安が進みましたが、リスクオンの流れで一時7.8286リラまでリラ高となりました。リラ円も13.31円まで下落しましたが13.481円に上昇しその後は13.21円付近まで下落しています。
週明けからはじわじわとリラ安が進みました。トルコが東地中海でギリシャと管轄権を争っている海域に12~22日の日程で資源開発のための探査船を派遣する計画を発表しました。ギリシャ外務省は地域の平和に対する直接的脅威と反発しました。
これに対してドイツ政府が仲介に乗り出す姿勢を示し制裁を止めていましたが、ドイツ外務大臣はトルコ訪問をキャンセルしました。
もう一つの地政学的リスクであるアゼルバイジャン紛争で、14日にエルドアントルコ大統領とプーチン・ロシア大統領は電話協議を行いました。ここで両国は10日に合意した停戦合意を順守するという認識で一致ししました。

USD/TRY 1時間足BIDチャート

アゼルバイジャン問題の沈静化によってドルトルコリラは7.96リラ付近がレジスタンスとなり7.93リラ付近で推移しています。短期的には7.85~7.96のレンジが想定されます。


TRY/JPY 1時間足BIDチャート

リラ円は一時13.21円まで下落しましたが13.243円まで上昇しています。13.276に一目均衡表の雲の下限、戻り高値、雲の上限の13.30付近がレジスタンスになっています。このレベルを上抜けできないと13.20~13.30円のレンジが想定されます。13.40付近を上抜けすればフィボナッチ・リトレースメント(10月10日の高値13.481~10月15日の安値13.21円)50%戻しの13.346円、61.8%戻しの13.378円付近への上昇を予想します。


【メキシコペソの材料と予測

先週9日に発表された9月のメキシコの消費者物価指数は前年比4.01%と前回4.05%を下回り予想の4.07%も下回りました。とはいえメキシコ中銀のインフレターゲットの4%を上回っています。このことはメキシコ中央銀行の緩和スタンスに影響を与える可能性がかなりあると思います。
ドルメキシコペソは9日に21.1142ペソまでドル安ペソ高が進みましたが、その後リスクオフのドル高が進み21.5178ペソまでドル高ペソ安が進みました。ペソ円も4.996円まで上昇後に15日に4.889円まで下落しました。
コロナウィルスの感染が拡大するメキシコでは13日に製薬のジョンソン&ジョンソンが臨床試験の一時停止などが悪影響を与えています。
14日に格付け会社のフィッチはメキシコについての見通しを発表しました。6月の急激な回復後に景気回復ペースが鈍化していると評価しました。フィッチレーティングは4月15日に外貨建て長期債務格付けをBBBからBBB-に引き下げました。景気の回復ペースの鈍化はメキシコの今後の格付け見通しに影響を与える可能性もあり注意が必要かもしれません。

USD/MXN 1時間足BIDチャート

ドルメキシコペソは10月10日の21.1142を底に上昇トレンドが続いていますが、短期的には21.52付近が短期的な高値になっています。21.20付近がサポートされれば21.20~21.52のレンジを想定します。


MXN/JPY 1時間足BIDチャート

ペソ円は9日の高値4.996円から下落トレンドとなっていましたが、昨日の安値4.889円を底に4.951円まで反発しました。4.95円付近に一目均衡表の雲の上限、戻り高値レベルとなっており、ここを上抜けできなければ再度下落となり4.86円付近への下落を予想します。
一方で4.95付近を上抜けできれば9日の高値4.996円を試しにいくと予想します。


【南アランドの材料と予測

昨日は注目されていた南アフリカの経済の復興計画が発表されました。ラマポーザ南アフリカ大統領は学校での補助的業務、国・自治体の公共工事で80万人分の雇用創出を目指します。
10月までだった月350ランドの給付金を3か月延長しますが増額や期間の恒久化などは財政状況から許されず、4~6月までで200万人以上が失業している状況で、この措置がどれだけ経済を支えるかは未知数です。
今後4年間で1兆ランドの民間投資を集め、エネルギー、通信、港湾などのインフラ建設を加速させる予定ですが、財政が急速に悪化する中で民間資本の財源だけで投資をできるかは懐疑的な見方も出ています。
市場はこの対策をそれほど評価していないようで、ドルランドは16.7096までドル高ランド安となり、7日の高値16.7320に近づいています。

USD/ZAR 1時間足BIDチャート

ドルランドは16.3521~16.7888のレンジが10月に入り続いており、16.97付近に日足一目均衡表の雲の下限が位置していますが来週はこれが16.76付近に低下します。16.76付近のレジスタンスを上抜けできなければ16.35~75のレンジ継続と思われます。


ZAR/JPY 1時間足BIDチャート

ランド円は6.45円付近でダブルトップを形成し一時6.293円まで下落しました。6.342円まで反発しましたが、このレベルが短期的なレジスタンスとなり6.31円付近で推移しています。6.29~6.3円が短期的なサポートになっていますが、ここを下落すれば10月2日の安値6.246円付近への下落を予想します。

レンジは15日のニューヨーククローズまで、チャートは16日11時ぐらいまでのものです

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プロフィール

  • 著者近影 YEN蔵(田代岳)(えんぞう(たしろがく))
    投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。 為替を中心に株式、債券、商品、仮想通貨と幅広くマーケットをカバーして、分かりやすい解説を行っている。


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