新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【トルコリラの材料と予測】
注目された昨日のトルコ中央銀行の政策会合で、予想通り政策金利の1週間物レポ金利を10.25%から15%に引き上げました。7日に就任したアーバル・トルコ中央銀行総裁の手腕に対する期待があり、今後金融政策の正常化と通貨防衛策への期待感からドルトルコリラは発表前の7.7リラ付近から7.4879リラに下落し9月14日以来のドル安リラ高となりました。
リラ円も13.30円から13.825円に上昇し9月24日以来の水準のリラ高となりました。
エルドアン大統領は今のところ中央銀行の姿勢を支持するスタンスでいます。しかし2014年1月、2018年5月、9月の大幅利上げの時もしばらくは中銀の姿勢を支持しましたが、通貨やインフレが落ち着いてくると金融緩和を要求し2019年7月にチェティンカヤ・トルコ中銀総裁が解任されました。
今回もエルドアン大統領の我慢がどこまで続くかがリラの上昇の鍵を握るかもしれません。
トルコをめぐる情勢は観光客の減少による経常収支の悪化、周辺国やユーロ圏、米国との関係の悪化など中央銀行の力では改善できない問題が山積みです。これらを片付けないとリラの本格的な上昇は見込めません。
ただ中央銀行が物価と通貨防衛に対して真剣に取り組み、それをエルドアン大統領が支持すれば、ここまでのスパイラルなリラ安は止まりじり高になると思われます。
USD/TRY 日足BIDチャート
ドルトルコリラは一時7.5リラを割れてリラ高が進んでいます。全般的なドル安の流れもリラのサポート材料になりますが、7.79付近に一目均衡表の雲の上限、転換線が位置し短期のレジスタンス、ここを超えると節目の8リラがレジスタンスと思われます。
一方で下のターゲットは7.4リラを抜ければ7.2リラ付近、中期的には7リラを下抜けできるかどうかがポイントです。
TRY/JPY 日足BIDチャート
リラ円は13.84円付近が戻り高値になっています。節目の14円~14.14円(6月の高値16.23~11月の安値11.999円の50%戻し)が重要なレジスタンスになります。ここを上抜けできれば61.8%戻しの14.64~14.80のゾーンへの上昇を予想します。
サポートレベルは今週の安値13.30付近、節目の13円が目途になります。
【南アフリカランドの材料と予測】
昨晩はSARB(南アフリカ準備銀行)も金融政策を発表し政策金利を予想通り3.5%に据え置きました。一部には利下げの予想もあり発表前には15.57ランドまでランド安が進む局面もありましたが、据え置き発表を受けて15.3761ランドに下落して終了しました。ただ据え置き3人に対して利下げ2人となり次回以降利下げの思惑がくすぶるかもしれません。
南アフリカの大手銀行が南アフリカの格下げのリスクを指摘しています。
格付け機関ムーディーズは南アフリカの中期予算計画に対して最近の弱い経済成長もあり懐疑的な見方をしています。
本日ムーディーズとS&Pの格付けに関するレビューが行われます。現在ムーディーズは格付けをBa1、見通しをネガティブにしています。ネガティブの場合は格下げの可能性もあり、本日のムーディーズのレビューが注目されます。
S&Pに関してはBBの格付け見通しは安定的ですが、見通しに関してネガティブに引き下げる可能性があり、いずれもレビューが注目されます。
USD/ZAR 日足BIDチャート
ただドルランドはリスクオンのドル売りの恩恵もあり先週は一時15.1999ランドと3月のコロナショック以前のレベル近くまでランド高が進みました。15ランド付近は3月のコロナショックまでレジスタンスになっていたレベルで、ここを下抜けしてランド高が進むのは難しいかもしれません。本日の格付けのレビューが悪ければ16ランド方向にランド安が進む可能性もあります。
ZAR/JPY 日足BIDチャート
ランド円はレジスタンスになっていた6.5円付近を上抜けしましたが6.895円と6.843円とダブルトップになっています。一目均衡表の基準線が位置する6.59円付近が短期のサポートとなっており、ここが維持できれば6.59~6.89円のレンジ、下抜けした場合は6.5円付近への下落を予想します。
【メキシコのペソの材料と予測】
17日に行われたサッカー国際親善試合で日本はメキシコに0~2で敗れました。前半は互角以上に攻めた日本ですが好機を生かすことができずに国際サッカー連盟のランキングで11位の強豪に27位の日本は敗れました。前半日本は好機が何度かありましたが決めきれませんでした。相場と同じで決めるべきところで決めないと勝てないという好例だったと思います。このレポートでも好機をお伝えできるように努めたいと思います。
さてメキシコペソはドル売りの恩恵もあり20.235パソと3月以来のペソ高、ペソ円も5.129円付近で推移しています。
世界的な金融緩和の状況で、メキシコ中銀が金利を据え置いたことで相対的に高い金利の魅力は健在なようです。また米大統領選挙でバイデン氏の当選が有力になるなかで対米関係の改善という期待もペソのサポート材料になっています。
USD/MXN 日足BIDチャート
ドルペソの20ペソ付近は2018年以降レジスタンスになっていたところで今年の3月に完全に上抜けしました。節目の20ペソが抜けるかどうか長期的に重要なレベルです。20ペソを完全に下抜けすれば18.50~20ペソのレンジにシフトする可能性もあり注目のレベルです。ここが下抜けできないようであれば20~20.70のレンジが想定されます。
MXN/JPY 日足BIDチャート
ペソ円でも5.2円付近は3月に下抜けするまで2017年以降サポートされていたレベルで、長期的に重要なレジスタンスとなっています。ここを上抜けできるようであれば5.2~5.5円のレンジにシフトすると思われます。
5.2円がレジスタンスになるようであれば5~5.2円のレンジが想定されます
レンジ・ピボットは昨日のニューヨーククローズまで