新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【トルコリラの材料と予測】
11日発表された10月トルコの失業率は12.7%と前回と一致しましたが、11月の経常収支は40.6億ドルの赤字と前回の2.7憶ドルの赤字、予想の35.6億ドルの赤字より悪化しました。
13日発表の11月の鉱工業生産は11%と前回の10.4%、予想の9.6%を上回りました。小売売上高は11.9%と前回の12%を下回りました。
ドルトルコリラは11日に7.5176リラ、12日にもそのレベルまでリラ安が進みましたが、鉱工業生産発表後は7.42リラ付近を下抜けしてリラ高に向かいました。
ここのところ領海をめぐって対立しているトルコとギリシャが25日に協議を再開します。5年ぶりの協議再開で、これに関してはEUも歓迎しています。地政学的な問題を抱えるトルコとしては解決方向に向かう流れはリラにとっては好材料です。
ただ経済情勢は依然として厳しく、ここまでのリラ高はトルコ中央銀行の利上げと通貨防衛の姿勢を市場が評価しているからです。その意味では21日行われるトルコ中央銀行の金融政策発表は注目されます。
USD/TRY 4時間足BIDチャート
ドルトルコリラは1月7日に安値の7.2357リラまで下落後に7.5176リラまで反発しましたが、7.52リラ付近は下落前のサポートレベルで重要なレジスタンスとして機能しています。ここが抜けなければ下落トレンドは継続で安値の7.23リラを目指す流れが継続と思われます。
TRY/JPY 日足BIDチャート
リラ円は11月6日に11.999円の安値まで下落後に13日に13.829円まで上昇し、現在このレベルがサポートとして機能しています。13.82付近と一目基準線の13.60円付近が中期的なサポートになっています。
一方で14.25円付近がレジスタンスとなり、ここが上抜けできないと13.60~14.25円のレンジを予想します。14.25円を上抜けできれば15円付近がターゲットになります。
【メキシコペソの材料と予測】
米上院で民主党2議席を獲得しトリプルブルーが完成するとドルペソも6日に19.5911ペソと高値まで上昇しました。今週は一時20.2534ペソまでペソ安になりましたが19.85付近とドルペソはペソ高のレベルで推移しています。
WTIが52~53ドルで推移するなど原油価格が高値圏で推移することも産油国のメキシコにとってはペソ高の材料になっています。
一方でメキシコの感染者数は1,571,901人と世界で13番目の規模になっています。(ジョージタウン大学HPより)
11日に発表された11月の鉱工業生産は前年比-3.7%と前月の-3.3%、予想の-2.9%を下回りました。5月に一時-30.7%まで落ちこんだ鉱工業生産は回復していましたが10月以降回復が鈍っているようです。
USD/MXN 1時間足BIDチャート
ドルメキシコペソは19.73ペソ付近が短期的なサポートとなり、19.73~19.89ペソのレンジで推移しています。19.90ペソ付近を上抜けすれば20.10ペソ付近への上昇を予想します。
MXN/JPY 1時間足BIDチャート
ペソ円は一目の雲の上限の5.22円付近がサポートとなり5.22~5.26円のレンジで推移しています。5.26円付近は中期的なレジスタンスとなっており、12月9日の高値5.286円(3月以降の戻り高値)とともに重要なレジスタンスになっています。
ここを抜けないと5.22~5.26円のレンジ下抜けした場合は一目の雲の下限5.2円付近への下落を予想します。
【南アフリカの材料と予測】
南アフリカ由来のコロナウイルスの変異種の懸念はランドにとって売り材料になっています。変異種に関しては世界で英国型が49か国、南アフリカ型が19か国で見つかっています。
感染拡大を受けて南アフリカは先月末からロックダウンを強化し警戒レベルを5段階のうちの3に引き上げました。ロックダウンは経済にとってはマイナス材料です。
一方で南アフリカの主要な輸出品であるプラチナ族の金属(PGM)の価格の上昇が加速しています。ロジウムが1トロイオンス2万ドル、イリジウムが1トン2990ドルなど高騰しています。
電子部品の増産が続いており、電子部品に利用するPGMの価格が上昇しています。感染拡大を受けた供給不安もPGMの価格上昇の材料になっています。
USD/ZAR 日足BIDチャート
ドルランドは12月25日に14.4559ランドまでランド高が続いて後に15.6536ランドまでランド安が進みました。15.55ランドに一目均衡豹の雲の下限が位置しておりここがレジスタンスになって15.0875ランドまで下落しています。ここに一目均衡表の転換線、基準線が位置しサポートとなっています。このレベルがサポートされれば再びランド安となり一目均衡表の雲の上限が位置する16ランド付近への上昇を予想します。15.08ランドランド付近を下抜けすれは14.45レベルへの下落を予想します。
ZAR/JPY 日足BIDチャート
ランド円は12月25日に7.117円まで上昇後に1月11日に6.653円まで下落しましたが6.845円付近に反発しています。6.678円は安値の5.957円~7.117円の38.2%戻しに当たり一目の雲上限でもありました。このレベルが短期のサポートとして機能していますが、ここが維持できないと50%戻しの6.54円付近への下落を予想します。
一方で6.86円付近に一目の転換線6.9円付近に一目の基準線が位置し短期的なレジスタンスになっています。ここが上抜けできれば再度7.117円を目指す動きになるでしょう。