新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【リラの下落は短期的には終了】
6月3日に発表された5月のCPIは16.59%と4月の17.14%からは低下しました。1日にエルドアン大統領が7月か8月に金利が下がる必要があると利下げに言及する発言をしたことで2日にドルトルコリラは8.746リラまで上昇後に4日に8.7440リラに上昇しダブルトップを形成して下落し始めました。
14日のNATO首脳会議でバイデン大統領とエルドアン大統領が会談する見通しになっており、チャバシュオール・トルコ外務大臣は見通しに関しては楽観的だと述べています。
また米長期金利が9日に1.5%を割れて低下し米CPI発表後も1.47%に低下していることもありドルトルコリラは下落し8.4150リラ付近まで下落しています。
USD/TRY 日足BIDチャート
ドルトルコリラは短期的には天井まで上昇後に反転下落が続いています。一目均衡表の雲の上限、60日移動平均線の位置する8.25リラ付近への下落を予想します。
TRY/JPY 日足BIDチャート
リラ円は6月2日に12.25円まで下落後に反転し、20日移動平均線の12.858円を上抜けして12.972円付近まで上昇しています。一目均衡表の雲の下限の13.125円、60日移動平均線の13.199円が短期的なレジスタンスとして意識されます。
チャートは日足、一目均衡表、5,20,60日移動平均線、RSI、MACD、ADX
【ランド高は一旦終了】
8日に発表された南アフリカの1~3月期のGDPは前期比年率で4.6%となりました。2020年4~6月期はマイナス成長(-51.7%)となりましたが、その後は3四半期連続のプラス成長(67.3%、5.8%)となっています。ただ回復ペースは鈍化しました。
5月末に発表されたOECD(経済協力開発機構)の見通しでは南アフリカ経済がコロナ前に戻るのは、23~25年になると予想しています。
今回のGDP成長の寄与度は工業が1.2%、金融が1.5%、貿易0.8%となり工業の成長が牽引しました。
貴金属の価格が上昇していることが南アフリカにとっては好材料になり、通貨ランドの上昇のデメリットを補っています。
ランドは堅調な貴金属価格と、米長期金利の低下をうけて堅調に推移しています。
USD/ZAR 日足BIDチャート
ドルランドは13.389ランドまで下落しました。ランド高は続いていますが20日移動平均線の13.766ランドが短期的なレジスタンスになり、ここを上抜けすればいったん底打ちで一目均衡表の基準線の13.8792、60日移動平均線の位置する14.1522付近への反発を予想します。
ZAR/JPY 日足BIDチャート
ランド円は7日に8.162円まで上昇しましたが8.049円付近に下落しています。20日移動平均線が7.938円に位置し、ここが短期的なサポートとなり、ここが維持できれば7.938~8.049円のレンジ、下抜けした場合は7.8円付近への下落を予想します。
チャートは日足、一目均衡表、5,20,60日移動平均線、RSI、MACD、ADX
【メキシコペソは高値更新】
6日に行われたメキシコの中間選挙ではロペスオブラドール氏の与党MORENA(国家再生運動)は3分の2の多数から単純過半数に議席数を減らしましたが、15州の知事選のうち11州で勝利した模様です。
9日ロペスオブラドール大統領はメキシコ中央銀行の次期総裁にエレラ財務公債相の任命を発表しました。後任の財務公債相はロヘリオ・ラミレスデラオ氏が任命されました。
USD/MXN 日足BIDチャート
ドルメキシコペソは9日に19.5881ペソまで下落しました。1月の安値19.5406ペソに迫っています。5日移動平均線の19.7662が短期的なレジスタンスになっており、ここが抜けなければペソ高は継続とみています。ここを上抜けすれば20日移動平均、一目の転換線が位置する19.88ペソへの反発を予想します。
MXN/JPY 日足BIDチャート
ペソ円は9日に5.578円まで上昇し5.555円付近で推移しています。5日移動平均線が5.537円に位置し、このレベルを維持できれば上昇トレンドは継続と思われます。このレベルを下抜けした場合は5.5円付近への下落を予想します。
チャートは日足、一目均衡表、5,20,60日移動平均線、RSI、MACD、ADX