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YEN蔵の外国為替見聞録

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リスクオンの流れで新興国通貨堅調に

2021年08月27日

新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント

【トルコへの直接投資増加?】

26日の日経新聞のトルコ大統領府投資局総裁のインタビュー記事によると、日本とのEPA(経済連携協定)が詰めの交渉に入っており、実現すれば5年で少なくとも5割超の直接投資の増加をもたらすという見込みを示しました。直接投資は現地で工場などを立てるのでトルコへの資金流入の増加が期待されます。為替マーケットの規模からすると大した額ではないかもしれませんが長期資金の流入はトルコの経済や為替市場を安定させる材料になるかもしれません。現状のトルコへの直接投資はEUが59.1%、アジアが24.2%、米国が6.4%となっており関税同盟を結ぶEUとの結びつきが強い状況です。
為替市場やトルコ経済にすぐに影響を与えることはないでしょうが、日本とトルコのEPAの行方には注目しておいたほうが良いかもしれません。

USD/TRY 日足BIDチャート

ドルトルコリラは先週の高値8.5561リラ付近から8.3582リラ付近に下落しました。世界的に株価が上昇しリスクオンのドル売りの流れになりました。8.4リラ付近に一目均衡表の雲の下限が位置しレジスタンスになっています。ジャクソンホールでタカ派的な意見が出ずにドル売りが続くようであれば直近安値の8.28リラ付近への下落を予想します。タカ派的な意見でドルが反発するようであれば8.5リラ付近への上昇を予想します。

TRY/JPY 日足BIDチャート

リラ円は先週の安値12.786円からリスクオンの流れを受けて13.136円まで上昇しました。
13円付近に一目均衡表の雲の上限が位置し短期的なサポートになっています。ここが維持できれば6月11日の高値13.208円、4月29日の高値13.337円付近への上昇を予想します。13円を下抜けした場合は12.80円付近への下落を予想します。

チャートは1時間足、一目均衡表、25,50時間移動平均線、RSI、MACD、ADX


【プラチナ下落の影響は一時的?】

トヨタ自動車は18日に東南アジアのコロナ感染拡大による部品供給不足の影響で9月の世界生産を当初計画から4割程度減少するという見通しを発表しました。この発表はトヨタショックとなりトヨタ株は急落して日経平均も押し下げられました。
自動車の触媒に利用されるプラチナはこの発表を受けて1トロイオンス956ドルと年初来の安値954ドル付近まで下落しました。ただでさえ中国の景気減速などで需要が減少し2月の高値1300ドル付近からの下落が加速し年初来の安値付近まで下落しています。
プラチナは南アフリカの重要な輸出品であり、プラチナ価格の下落はランドの下落材料になります。
ただプラチナ価格は一旦下げ止まり990ドル付近で推移しており、また世界的な株価の上昇でリスクオンのドル売りの流れとなりランドの下落も一服しています。

USD/ZAR 日足BIDチャート

ドルランドは20日に15.385ランドまで上昇しましたが、その後はドルの下落で25日に14.8973ランドまで下落しています。15.03ランド付近に一目均衡表の雲の下限が位置し、ここがレジスタンスになれば14.8ランド付近への下落を予想します。一方で15.03ランド付近を上抜けすると15.2ランド付近への上昇を予想します。

ZAR/JPY 日足BIDチャート

ランド円は20日に7.116円まで下落しましたが、反発し7.37円まで上昇しています。7.394円に一目の基準線、7.419円に25日移動平均線が位置しレジスタンスになっています。ここが上抜けできれば50日移動平均線の7.51円付近への上昇を予想します。一方でレジスタンスを抜けられないようだと転換線の位置する7.28円、下抜けすると先週の安値7.116円付近への下落を予想します。

チャートのドルランドは1時間足、一目均衡表、25,50時間移動平均線、RSI、MACD、ADX、ランド円は日足です。


【上値の重いペソ】

INEGI(メキシコ国立統計地理情報院)が25日に発表した4~6月期のGDPの確定値は前年同月比で19.5%増となり速報値の19.6%からはやや減速となりました。4~6月期は前期比1.5%となり4半期連続のプラス成長となりました。製造業、工業などの第2次産業が前年同期比27.9%増、金融・サービス業などの第3次産業は16.9%、第1次産業は6.8%増となりました。
主要産業の自動車の輸出は回復しているが、半導体不足などの影響が残っています。ただコロナの感染拡大でサービス産業の回復が懸念されます。
そのような中でメキシコ中央銀行はインフレ率の高まりを受けて2会合連続で利上げを行いました。声明文ではタカ派的な姿勢を示し9月30日、11月11日の会合での利上げの可能性もあり利上げが経済活動の及ぼす影響が懸念されます。

USD/MXN 日足BIDチャート

ドルメキシコペソは20日に20.4466ペソまで上昇しました。その後リスクオンの流れでドル売りとなり20.1625ペソまで下落しましたが、そのレベルに一目の雲の上限がありここがサポートとして機能しています。ここが維持されると20.1625~20.44p祖のレンジを想定します。

MXN/JPY 日足BIDチャート

ペソ円は21日の安値5.368円から5.439円まで反発しましたが、5.444円に一目の転換線、5.459円に一目の雲の下限がありレジスタンスとなっています。ここを抜けられないと先週の安値5.368円付近とのレンジが予想されます。

チャートは日足、一目均衡表、25,50日移動平均線、RSI、MACD、ADX

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プロフィール

  • 著者近影 YEN蔵(田代岳)(えんぞう(たしろがく))
    投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。 為替を中心に株式、債券、商品、仮想通貨と幅広くマーケットをカバーして、分かりやすい解説を行っている。


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