新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【トルコの利下げが近づくか?】
8日にカブジュオール・トルコ中銀総裁は講演で19%の政策金利は十分引き締め的で、インフレ率は第4四半期に低下するとの見方を示しました。この発言で金融緩和が近づいているのではないかとの思惑が市場に広がりリラ売りとなりました。
8月のインフレ率は19.25%と政策金利を上回っていますが、総合インフレ率より低いコアインフレ率の重要性が増していると、こちらを政策の判定に使う姿勢を示したことで23日の金融会合での利下げ予想が高まりました。
USD/TRY 4時間足BIDチャート
ドルトルコリラは9月7日に8.2453リラまで下落しましたが、この発言を受けて9日には8.5156リラまでドル高リラ安が進んでいます。
8.4リラが短期的なサポートとなり、ここが維持されれば8月20日の戻り高値8.5560付近への上昇、そこを抜けると8.6付近への上昇を予想します。
TRY/JPY 4時間足BIDチャート
リラ円は9月1日に13.308円まで上昇しましたが、9日に12.886円まで下落しました。日足一目均衡表の雲の上限が12.895円に位置し、下限が12.729円に位置し、このレベルがサポートとして意識されます。このレベルがサポートされれば下落前のサポートレベル13.15付近への上昇を予想します。
【コモディティー価格の上昇がランドをサポートか】
7日に発表された南アフリカの第2四半期のGDPは前期比1.2%と予想の0.7%を上回りました。全円同期比では19.3%となりました。業種によりばらつきがあり運輸、通信は前期比6.9%、農業は6.2%、貿易は2.2%、鉱業は1.9%増加、金融は0.4%、製造業は0.8%にとどまりました。
第3四半期はズマ大統領の収監を受けた暴動や感染拡大により財務省の予想では0.9%ほどの下押しになる模様。失業率は第2四半期に過去最高の34%になるなど、南アフリカの経済成長は引き続き低成長が続きそうです。
しかし9日に発表された第2四半期の経常収支は6137億ランドと過去最大となりました。コモディティー価格の上昇が輸出の増加をもたらし、この傾向はしばらく続きランドのサポート材料になっています。
USD/ZAR 日足BIDチャート
直近のランドは堅調に推移しています。8月20日に15.385ランドまで上昇後に14.0878ランドまで下落しています。節目の14ランド付近がサポートできるか、戻りは14.58付近の一目均衡表の雲の上限のレジスタンスが重要です。
ZAR/JPY 日足BIDチャート
ランド円は8月20日に7.116円まで下落後に上昇トレンドが続き7.791円まで上昇しました。7.753円に一目均衡表の雲の上限が位置し、ここがレジスタンスになれば雲の下限の7.545円付近への下落を予想します。
【ペソは高値を付けたか】
8日に議会に提出された2022年予算案では2022年の予想経済成長率を4.1%としました。またメキシコ石油公社への課税の税率を40%に引き下げる提案を行いました。メキシコ石油公社の税率は2019年は65%、2020年は58%、2021年は54%に引き下げられていました。ロペスオブラドール大統領はメキシコ石油公社のテコ入れを重要な政治目標としています。
USD/MXN 日足BIDチャート
ドルメキシコペソは8月20日に20.4466ペソ、8月27日に20.4172ペソとダブルトップを形成して9月3日に19.8409ペソまで下落しました。今週は19.8608~19.9737と安値圏で推移しています。19.98ペソ付近に一目均衡表の雲の下限が位置しここが短期的なレジスタンスになっています。ここを上抜けしないと7月以降の安値19.80ペソ付近への下落を予想します。
MXN/JPY 日足BIDチャート
ペソ円は8月20日に5.368円まで下落後に9月8日に5.539円の高値まで上昇しました。一目均衡表の雲の上限が5.508円に位置していますが下抜けしています。5.486円付近に25日に移動平均線、5.484円に一目の転換線が位置し短期のサポートになっています。ここを下抜けすると雲の下限の5.462円付近への下落を予想します。