新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【トルコリラは下落が加速】
FRBがテーパリングを予告する中で23日に利下げを行ったトルコリラは下落が加速しました。
先週から発表されたトルコの指標は、9月設備稼働率が78.1%と前月の77.1%から上昇、9月製造業信頼感指数は113.4と前月の113.9から低下しましたが高いレベルで推移しています。8月の外国人観光客は前年比119.44%となり前月の367.5%からは低下しました。
USD/TRY 日足BIDチャート
ドルトルコリラに関しては下落トレンド継続と予想します。節目の8.8リラが短期的なサポートとなり、ここが維持されれば8.8~8.96リラのレンジを予想します。
TRY/JPY 日足BIDチャート
リラ円は利下げを受けて12.70円付近から下落、25日に12.429円まで下落しましたが、その後は12.49~12.60円のレンジで推移しています。ドル円の上昇を受けてリラ円は下落が限定的になっています。リラ円は12.40~60円のレンジが継続と予想します。
【下落傾向のランド】
30日に発表された8月の生産者物価指数は前月比0.8%と前月、予想の0.7%を上回りました。前年比では7.2%と前月、予想の7.1%を上回りました。前年比では5月に7.4%、6月に7.7%と上昇後に7月が7.1%、8月が7.2%と上昇一服となりましたが依然として高止まりしています。
8月の貿易収支は424億ランドの黒字と前月の369億ランド、予想の390億ランドを上回りました。南アフリカの貿易収支は2020年6月以降黒字が続き、黒字額が過去と比べても増加しています。4~6月の貿易収支は500億ランド台の黒字と高水準で推移していました。
高水準の貿易収支の黒字はランドにとってはサポート材料になっています。南アフリカの主要輸出品であるプラチナ価格の上昇が貿易収支の黒字化に貢献しているのは確かだと思います。ただプラチナ価格は昨年3月の600ドル台から今年2月に1300ドル台まで上昇しましたが現状は965ドル付近で推移しています。今後のプラチナ価格によっては貿易収支の黒字幅も変化があると思います。
USD/ZAR 日足BIDチャート
FOMC後の米長期金利上昇、ドル高の流れを受けドルランドも15.2423の高値まで上昇しました。15.26付近に週足一目均衡表の雲の下限が位置し、このレベルがレジスタンスになり一時15割れまで下落しました。米長期金利が低下しドルの上昇も一服していますが、株価の下落もあり神経質な動きになりそうです。14.90~15.24のレンジを予想します。
ZAR/JPY 日足BIDチャート
ランド円は7.31円付近がサポートとなり、このレベルが維持できれば25日移動平均線の位置する7.48円、75日移動平均線の位置する7.53円付近のレンジを予想します。
【メキシコ中銀は予想通り利上げ】
30日にメキシコ中央銀行は政策決定会合を開き政策金利を0.25%引き上げ4.75%としました。利上げは予想通りで3会合連続の利上げとなりました。決定は4対1となり1名が据え置きを主張しました。
9月前半の消費者物価指数は前年比5.87%と中銀の目標である3±1%を大きく上回っています。
声明では物価上昇の原因は一過性であると思われるが、価格形成やインフレ期待に対してはリスクになる可能性があり、リスク回避のために利上げが必要と反出したと述べました。
USD/MXN 日足BIDチャート
ドルメキシコペソもFOMC以降の米長期金利の上昇とドル高の影響で上昇が続いています。利上げ後も上昇し20.6677と直近の高値まで上昇しました。
チャートは週足一目で20.75付近に雲の下限が位置し、ここがレジスタンスとして機能しています。このレベルが抜けなければ19.80~20.75のレンジを予想します。このレベルを上抜けすると3月の高値21.63付近が視野に入ります。
MXN/JPY 日足BIDチャート
ドルに対しては下落しているペソですが、ドル円の上昇を受けて対円では5.5円付近で高止まりしていました。しかし直近3日で5.4円付近まで下落し上値が重い状況です。8月20日の安値5.368円、250日移動平均線が位置する5.325円付近がサポートと思われます。ここが維持できないと6月21日の安値5.3円付近への下落を予想します。