新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【物価上昇が加速しているがリラは小動き】
4日に発表された3月消費者物価指数は、前月比5.46%上昇、前年同月比61.14%上昇でした。ロシアのウクライナ侵攻で資源と食料品が上昇したことが、さらに物価を押し上げました。
運輸+99.12%、食料+70.33%、家具+69.26%、ホテル・レストラン+60.4%などが、大きく上昇した品目です。トルコ政府は年初に、春までに物価上昇がピークに達し、23年半ばまでに1桁に下落すると予想しましたが、その兆しは全く見えません。
物価の引き下げには金利引き上げが必要ですが、14日に行われるトルコ中央銀行の会合でも据え置きが予想されます。
USD/TRY 1時間足BIDチャート
ドルトルコリラは14.80リラがレジスタンスとなり、14.30~14.80リラのレンジが続いています。引き続きこのレンジを予想します。
TRY/JPY 1時間足BIDチャート
リラ円は3月29日に8.431円まで上昇後、31日に8.238円まで下落しました。その後はドル円の上昇もあり、8.409円まで上昇しています。短期的には堅調に推移しており、8.35円付近が短期的なサポートにもなっています。ここが維持できれば、8.35~8.43円のレンジを予想します。
【ランド高一服か】
2日に格付け会社ムーディーズは、南アフリカの格付け見通しをネガティブから安定的に変更しました。
ムーディーズは「政府の財政再建と良好な対外展開にて、財政状態はパンデミック時から著しく回復した。その結果、債務のGDP比率は中期的に80%前後で安定する公算が大きい」と分析し、格付けはBa2で据え置いています。
ドルランドは3月31日に14.3920ランドまで下落しましたが、その後は14.75ランドまで反発しています。ここまでランド高が続いていましたが、ブレイナードFRB理事の発言や、FOMC議事要旨を受けてドル高の流れとなり、ドルランドも上昇しています。
USD/ZAR 日足BIDチャート
25日移動平均線が位置する14.805ランドが、短期的なレジスタンスとして意識されます。ここが抜けなければ、14.40~14.80ランドのレンジを予想します。14.80ランドを上抜けすれば、15ランド付近への上昇を予想します。
ZAR/JPY 1時間足BIDチャート
ランド円は28日に8.629円まで上昇後、8.3円付近がサポートになり、8.3~8.5円の狭いレンジで推移しています。引き続き8.3~8.6円のレンジを予想します。
【メキシコ財務省は成長率を下方修正】
31日にエスキベル・メキシコ中銀理事は、「インフレ率は第2四半期にピークを迎えるが、目標の3%に近づくのは2024年第1四半期になると予想する」と発言しました。また金利は2023年に現在の水準よりもやや高くなる可能性を示唆しました。ペソはメキシコ中銀の連続利上げと資源価格の上昇で支えられていますが、中銀の姿勢がタカ派であれば引き続き堅調な動きを予想します。
1日に発表されたメキシコ財務省の予算文書では、2022年の成長率を+3.4%に下方修正しました。これまで政府は+4.1%、大統領は+5%と予想していました。インフレ率は年末までに+5.5%、23年末までに+3.3%に鈍化すると予想しています。
USD/MXN 日足BIDチャート
ドルペソは4日に19.7169ペソまで下落し、ペソの高値を付けました。しかしブレイナードFRB理事やFOMC議事要旨を受けてドル高となり、20.1849ペソまで上昇しています。20.2394ペソに25日移動平均線が位置し、ここが短期的なレジスタンスになり、ここを抜けなければペソ高継続で、19.58~20.24ペソのレンジを予想します。
MXN/JPY 1時間足BIDチャート
ペソ円はここまで6円がレジスタンスになっていましたが、ここを上抜けして3月28日に6.246円まで上昇しています。6.08円がサポートになり、6.08~6.25円のレンジを予想します。