次回の『YEN蔵の外国為替見聞録』の更新は、5月6日となります。
新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【次回も据え置きが予想されるトルコ】
14日開催のトルコ中央銀行の会合では、主要政策金利の1週間物レポレートを14%に据え置きました。今回の据え置きにサプライズ感はなく、声明も前回とほぼ同じ内容でした。
声明では最近の金融政策の累積的な影響を監視する、政策枠組みの包括的な見直しを継続するとしています。
ここから考えると、近い将来の政策金利引き上げの可能性はほとんどないと思われます。
トルコ中銀は15日、リラ建ての所要準備金に適用される金利をゼロの引き下げるとともに、個人が外貨からリラに交換することに対する追加利払いを廃止しました。
これまでは所要準備金のうち、リラの割合を増やすために8.5~14%の変動金利が適用されていました。
USD/TRY 1時間足BIDチャート
ドルトルコリラは14.50リラに下落する局面もありましたが、14.70付近に若干上昇しており、レンジの中で狭い値動きになっています。
TRY/JPY 1時間足BIDチャート
リラ円は、ドル円が129円台に上昇すると、昨年12月以来の高値・8.822円まで上昇しました。
8.82円付近が天井となって一旦下落していますが、上昇前の8.65円が短期的に重要なサポートとして意識されます。ここが維持されれば8.65~8.82円のレンジ、下抜けする場合は8.5円付近への下落を予想します。
【停電と洪水がランド売り材料に】
南アフリカは深刻な計画停電と洪水で、経済活動が縮小しています。
国営電力会社エスコムは19日、石炭火力発電所2か所の故障を受けて計画停電を強化しました。南半球では今後冬場にかけて、停電が続くのではないかとの懸念も広がっています。
先週東部クワズール・ナタール州で発生した洪水では、インフラ被害が少なくとも100億ランド規模と試算されています。また400人以上の死者と数千人が家を失っているという報告もあります。
これによって重要な港湾であるダーバンの港湾業務には、支障が出ているようです。
USD/ZAR
これらの材料、またドル高を受けてドルランドは15.40付近まで上昇と、3月7日以来のドル高・ランド安となっています。
レジスタンスになっていた14.75、ならびに15ランドを上抜けしたことで、15ランド付近がサポートとなりそうです。15~15.80ランドのレンジを予想します。
ZAR/JPY 日足BIDチャート
ランド円は19日、8.743円と2018年5月以来の高値まで上昇しました。しかしドル円の下落、ならびにランドの下落を受けて、8.333円付近まで押し下げられています。8.37円付近に25日移動平均線、8.33円に一目の基準線、8.29円に31日の押し目が位置しており、8.29~8.3円付近が短期的なサポートとして意識されます。
ここが維持されれば8.3~8.5円のレンジ、下抜けした場合は上昇前のレジスタンスレベルである8.15円付近への下落を予想します。
【ペソ円は上昇一服か】
メキシコ上院は19日、レアメタル・リチウムの国有化に関する法改正案を賛成多数で可決しました。戦略物資の管理強化に向けて、民間企業の市場参入を制限します。この決定により外資系十数社が保有する鉱山開発の契約を見直すとしており、海外企業との対立に発展する可能性があります。
USD/MXN 日足BIDチャート
ドルペソは19.75ペソが維持され、20.1973ペソ付近に上昇しています。このレベルが3月以降の戻り高値になり、短期的なレジスタンスになっています。25日移動平均線が位置する20.0789付近を上抜けしています。20.20付近を上抜けすれば75日移動平均線の位置する20.32ペソ付近への上昇を予想します。
MXN/JPY 月足BIDチャート
ペソ円は6.486円と、2016年4月以来の高値に上昇しました。6.78円付近が、2001年の高値14.966円~2020年の安値4.22円の23.8%戻しに当たります。
短期的には6.28円付近が維持できれば、6.28~6.5円のレンジを想定します。