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為替大観

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第433回 ~相場膠着時に思う‐あらたになると云事~

2021年05月26日

 過去1週間、ドル円は久方ぶりに小動きであった。変動幅は約75銭。過去4日間ではわずか50銭以下。はやりの言葉でいえば「さざ波」である。中心レンジは108.50 ~109.00、しかし方向感はドル安気味に出ていた。一週間前に比べて25銭程度のドル安だ。

 一方ユーロ円は、約1.20円のレンジだったが、ユーロ円相場は133.61円と2018年2月中旬以来のユーロ高・円安となった。ユーロ、ポンドがユーロ円より値動きが出ていたが、2018年の高値水準には届かない中で、ユーロ円が突出した動きになった。ドルインデックスが節目の90を割り、89.535と今年1月7日以来の安値となったことで、両方合わせると、ドル安円安である。

 その流れは、ユーロ、ポンドがドル安方向で値が出ていたことで確認できる。この背景は、まず、米ドル安要因が米国経済回復足踏み、金利低下、バイデン大統領の大型財政支出計画の減額発表などがある。そして欧州高要因として、新型コロナ感染の順調な収束の動きと合わせて景況感の回復見通し、英国の中央銀行の緩和政策の出口に向かっての調整見通しがある。これに対して、日本は物価も上がらず、過去指標と言えども第1四半期GDPの大幅減少も円安材料である。これらの点から、さざ波ながら、総合的に言えば為替相場の流れはドル安方向に向かっていると読める。

 ただ、このような微流は、為替市場にとっては、「大事の前の小事」、あるいは「嵐の前の静けさ」かもしれない。相場の傾向として、値が動く時期と小動きの時期が交互にやってくる特徴があることを忘れてはならない。相場を追いかける身としては、ただ時が過ぎて動き出すのを待っているのでは能がない。そこで今は、次の動きへの備えをしっかり考えておく時期と考える。

 そこで、そんなときに思い出すのが、宮本武蔵の「五輪書」である。この「火の巻」の中に「あらたになると云事」の項目がある。本文の解釈は「気分一新、気持ちを切り替えて、勝つ道を考えよ。視点を180度転換して、大局観をもて。細かいことをおろそかにしてはいけないが、大局の判断はもっと大事にせよ」(「五輪書に学ぶ勝ち方の極意」谷沢永一著より)である。それを筆者は相場道として下記のように理解した。

 『相場は剣の道と違い、全部勝つ必要はないが、相場が膠着状態に入ったときの考え方は、まさにこの「あらたになる」の通りである。狙い通りに進まなかったら、自分の狙いを捨てて、仕切り直しをすればよい。局面の転換をはかり、次の道を考えよ』

 では、その「あらたなこと」とは何だろうか。筆者は「金」に狙いを定めている。今週に入って1,900ドル(1オンス)を回復、今日は今年1月8日以来の1,908ドルまで上昇した。3月31日の安値1,677ドルから続伸中だ。金は利息が付かないが、インフレにはめっぽう強い現物資産。現在の経済社会状態を如実に表している。金の高値は昨年8月につけた2,074.92ドルで、まだ遠い。まずは壁になっている、1,960ドル越えが鍵となる。金相場上昇とともに、セル・イン・ジューンがドル相場にやってくるか、注目したい。

 さて、今後1週間の相場見通しは、ドル円は、小幅円高の108.30~109.30円と予想。またユーロは、先週と変わりなく対ドルで1.2150~1.2350、対円では132.50~134.50円と予想。また、英ポンドも先週と同じ、1.4000~1.4250と予想する。

(2021/5/26, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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