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市場養生訓

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第856回

2021年04月06日

 IMFから世界の外貨準備の通貨別の内訳が発表された。2020年第4四半期末の数字だ。今回の数字から読み取れるポイントを列挙する。

1. ドルの割合(59.02%)が初めて6割を切った。ドルの割合は長期低減傾向にあったが、ついに50%台に低下した。特筆すべき点だ。ドル離れが長期的傾向であることを示している。ただし世界の外貨準備額全体が前期比4500億ドルほど増加している中で絶対額で見るとドルも670億ドルほど増加している。

2. ユーロの割合(21.24%)は増加傾向にある。絶対額で見ると前期比1700億ドル近く増加した。つまりドルよりも増加額が多かった。他の通貨の割合も軒並み増加しているが、絶対額でもドルより増加したのはユーロだけだ。これはユーロがドルからのシフトの第一の受け皿であることを示す。EU当局もユーロの国際通貨としての役割の拡大によりドル依存度の低下を図ることをを戦略の一つに挙げている。

3. 人民元の割合(2.25%)は計ったように着実に増加している。だが増加のペースは緩やかで、割合も依然として小さいままだ。人民元の国際通貨としての道のりはまだまだ険しい。

4. 円の割合(6.03%)も増加傾向が続く。絶対額でも最近では最も多い。ドルからのシフトがユーロの次に多い通貨だ。

5. ポンドの割合(4.69%)は前期に比べれば増加しているが、2016年のBREXITの是非を問う国民投票前の水準に近い。今回ドルからのシフトも相当部分ある点を考慮すると、BREXITのリスク要因が除かれた影響は今年第1四半期の統計に反映されると考えられる。

6. オーストラリアドルとカナダドルの割合は、それぞれ1.82%、2.07%に増加し、過去最大になった。これは多くが中国の外貨準備のポートフォリオに含まれると推計される。

7. その他通貨の割合(2.70%)は2年ぶりに高く、絶対額では過去最多だ。これは今回のドルからのシフトが広範に行われたことを示す。

 以上です。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


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