FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

市場養生訓

最新の記事

第857回

2021年04月13日

 今週木曜日に米国では3月の小売売上高が発表される。巨額の財政支出とワクチン接種の展開の早さから景気回復の先頭グループに立つそうな米国だが、その勢いを示すような数字が確認されそうだ。前月比6%ほどの増加が予想の平均値だが、上振れる可能性もある。
 こうした米国経済の見通しがドルの金利や為替の堅調さの一つのバックグランドになっているは確かだ。
 金利先物市場から見込まれるFEDの利上げの可能性はほとんどないが、先週末では1割ほどの市場参加者が12月のFOMCでの利上げを見込んでいた。ほとんどゼロだったので増えたわけだ。
 ただ長期金利はこのところ安定している。直近での10年債のイールドは1.68%で1.80%を超えようとしていた勢いは失った。高値安定というところだ。
 こうしたドル金利の動向は多くの新興国通貨への圧力として作用する。具体的にはインフレ率の上昇と財政の悪化だ。ドル金利の上昇は新興国からの資本流出を促し、通貨安はインフレ率を高めるからだ。パンデミックの下では財政に一層負担がかかる。
 これまでも新興国は何度もこうした局面に遭遇した。対応を誤ると政権の交代や社会混乱を招いた。
 そうした新興国の一つのブラジルでは、先月0.75%の利上げをした。2月のインフレ率が5.2%と今年の目標3.75%を大幅に上回ったためだ。中央銀行は来月も同様の利上げの可能性を示唆した。インフレ率上昇の要因の一つは通貨安だ。
 ドルレアルのレートは年初来ドル高レアル安のトレンドだ。直近は5.73水準だが、年初来レアルは10%ほど下落している。
 ブラジルの財政も悪化している。コロナ対策による支出拡大と景気悪化が主因だが、累積債務はGDPの90%に及ぶ。先進国では日本やイタリアのように200%、100%超えもあるが、新興国にとっては由々しい水準だ。問題が深刻になり危機に繋がる可能性がある。先進国と比べて信用力や資本市場が十分でなく、資金調達に窮することがあるからだ。
 こうした状況がさらに通貨安を促し悪循環に陥る可能性もあることは新興国を巡る通貨危機、金融危機の事例を見ても明らかだ。
 ブラジルのコロナの死者数は35万人超と米国に次いで多く、大統領は求心力を失いつつある。来年の大統領選には元大統領のルーラの出馬が取りざたされ政治的混乱も予想される。コモディティー価格が大幅に上昇するような幸運がない限り、レアルを巡る状況は厳しい。

このページの先頭へ

2021年05月18日
2021年05月11日
2021年04月27日
2021年04月20日
2021年04月13日

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引および証券取引に関するご注意

FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引および証券取引に関するご注意
パートナーズFX、パートナーズFXnanoおよびCFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格とには差額(スプレッド)があります。

取引手数料は無料です。ただしパートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの受渡取引に限り、1通貨単位あたり0.10円の手数料をいただきます。

パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの建玉必要証拠金金額は原則、一般社団法人金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。

CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。 国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.75%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,750円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会