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市場養生訓

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第861回

2021年05月18日

 ドル指数が低下傾向にある。1年前に比べれば10%近い下落率だし、4月初めからは3.5%ほどの下落だ。ドル指数は主要通貨バスケットに対するドルの強さを反映する。構成通貨はユーロ、円、ポンド、カナダドル、スウェーデンクローネ、スイスフランの6つだ。通貨により構成比率は異なり、ユーロが最も高く、6割弱ある。次が円、ポンドと続く。それぞれ1割強を占める。
 従ってユーロドルの変動が最もよく反映され、チャートも似てくる。直近のドルユーロは1.2165水準で推移しているが1年前と比べるとドルに対して10%を超える上昇率を示す。4月初めからの対ドル上昇率もドル指数の下落率と重なる。
 先週欧州委員会はユーロ圏の経済見通しを今年が4.3%、来年4.4%と引き上げた。ワクチン接種のスピードが早まり、経済活動が上向き、インフレ率の上昇も見込まれる。これらはユーロのサポート要因だが、それだけではない。
 構造的中長期的要因もある。ユーロは市場ではドルに次ぐ取引量があり、ドルからのシフトの受け皿になりやすい通貨だ。言い換えればドルを売りたいときに最も多く買われる通貨だ。また世界の外貨準備の構成通貨では2割以上を占め、ドルに次ぐ。つまりドルの次に信用力のある通貨とも言える。
 一方でドルは世界の基軸通貨として戦後のIMF体制下でのドル金本位制から金とのリンクを断ちドル本位制へ移行してからも圧倒的地位を占めてきた。しかし昨年末での統計では世界の外貨準備でのドルの割合は初めて60%を切った。よく見るとドルの割合は長期低減傾向を示していたが、ついに6割を切った印象だ。世界のドル離れは中長期的な構造的現象とも言える。
 実際の為替レートはこうした中長期的な要因と短期的な要因が絡み合いながら決定される。短期的な要因として影響が大きいのは米国の中央銀行のFEDの金融緩和姿勢にある。インフレ率上昇に対する政策上の変化の具合だ。さらにそれに応じた市場金利の上昇度合いだ。その程度によっては外貨建て債務が膨らむ新興市場国通貨への影響は避けられない。これらはドル需要を拡大する可能性がある。
 中長期でのドル離れ傾向には変化はないと考える。世界の外貨準備でのドルの割合は低下傾向だが、今のところ絶対額では増加している。それが絶対額でも減少傾向に入るか、あるいは割合で50%を切るような状況になる時には、中長期的な要因の為替レートへの影響が短期的要因をはるかに上回る可能性がある。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


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