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第754回 4月に入ってからのドル売りはそろそろ一服!?

2021年04月19日

 先週15日、米10年債利回りは一時1.52%まで低下した。
 この日発表された3月の米小売売上高や4月のニューヨーク連銀製造業景気指数、新規失業保険申請件数(4/4~4/10)などが軒並み強めの結果を示したのにも拘らず、米国債利回りが急低下したのは一体なぜだったのか。
 市場の一部では「バイデン米大統領がロシアに対する強硬姿勢をアピールしたことが一因」との声も聞かれるが、より現実的には米債券ショート勢の買い戻しによって踏み上げが生じ、その動きが一時的にも米国債価格を押し上げた部分が大きいと見られる。
 その実、翌16日には中国の1-3月期のGDPが過去最高の伸びとなったことなどもあって、米10年債利回りは一時1.59%台まで上昇。今度は買い方による米国債の利益確定売りが優勢になるという日替わりでの展開となっている。

 目下のところ、対主要国通貨でドル売りが優勢の局面にあることは間違いない。
 実際、ユーロ/ドルが足元で1.2000ドルの心理的節目を試す展開となっていることに加えて、先週はポンド/ドルも一貫して持ち直す動きとなっていた。
 とはいえ、ここにきてユーロ/ドルとポンド/ドルはともに一目均衡表の日足「雲」下限の水準を目先の上値抵抗として意識する状況となっており、そろそろ戻り一服となってもおかしくはないものと思われる。とりわけ、ユーロ/ドルについては、3月半ば前後に1.2000ドル手前まで戻りを試したところで、幾度も節目に押し戻されるような展開となったことが思い起こされる。
 ユーロ圏内では、なおも多くの地域において厳しいロックダウンが続いている。ドイツでは、新型コロナの感染者が一定水準を超えた地域において厳格な制限措置を連邦政府の権限で実施することを定める「感染予防法改正案」を政府が閣議決定した。もはや、個々の州の判断には任せておけないというほど深刻度合いが高まっているということである。
 そうしたことから、ユーロ/ドルの目先的な上値余地は自ずと限られると考え、ここは1.2000ドルより少し上にストップ ロスオーダーを出しておいたうえで、あえて200日移動平均線が位置するところ(現在は1.1909ドル)を目安に一旦ショートを振っておきたいと個人的には考える。
 なお、一方の英国はワクチン展開において一定の成果を上げているものの、来月に予定されているスコットランド議会選挙の行方が気がかりな状況となってきている。結果次第では2回目のスコットランド独立を問う住民投票が行われる可能性が高まりそうな情勢となっており、一頃ほど積極的にポンドの上値を追うわけにも行かない状況にある。

 ドル/円については、3月31日に110.97円の高値をつけた段階でエリオット波動理論に基づく「5波構成の上昇波動」が一旦完結したと見られる。
 つまり、3月末の直近高値からは「調整波」が生じていると見られるわけであり、その下値の目安は一つに3月23日安値=108.41円ということになると思われる。実際、先週16日には一時108.61円まで下値を試しに行く場面があり、前記の108.41円から108円台半ばあたりの水準というのは当面の下値を支える水準と見てよいように思われる。
 仮に同水準をも下抜けた場合は一時的に108円を割り込む可能性もないではないが、いずれにしても目下の調整波の底は自ずと知れたものになると見ていいだろう。

 ときに、日米首脳会談のために先週末渡米した菅首相は米ファイザー社のブーラCEOと電話会談し、ワクチンの日本への追加供給を要請した。このことについて河野行革担当相は「実質的に合意がなされた」と述べているが、果たして市場はこのニュースをどう受け止めるのだろうか。一応、注目しておきたい。
(04月19日 07:00)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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