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今週の為替相場、武市はこう見る

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今週の為替相場、武市はこう見る [2021年10月11日(月)]

2021年10月11日

週初こそ“110.817円”へ値を落としたドル円でしたが、崩れることはありませんでした。
逆に「好内容の米経済指標」を背景にした「米雇用統計への期待」から、その後は堅調推移へと転じています。
特に「米債務上限問題」が和らいだことが大きく、米10年債利回り上昇につれてドル円も上値を伸ばしました。

こうした中で迎えた米雇用統計は、平均時給が“高い伸び(前年比+4.6%)”を維持し、失業率は“20年8月以来(4.8%)”へと改善しました。
しかし非農業部門雇用者数が“事前予想を大きく下回った(予想:50.0万人/結果:19.4万人)”ことで、発表直後は“ドル売り”が進行しました。
ストレート通貨が軒並み下落を見せる中、ドル円が“111.504円”へと値を落としたのはこのためです。

ただし今回の米雇用統計が特徴的だったのは、そこからの“切り返した”ことでした。

「教育関係の政府雇用減(△12.3万人)が響いた」との認識が強まると、「テーパリングを後退させるほどでない」との思惑が次第に強まっていったからです。
こうして“ドル売り”は一転して“ドル買い”となり、米10年債利回りが“急上昇(1.55%→1.61%)”を見せる中、ドル円は“2019年4月以来の水準(112.249円)”へと駆け上がっていきました。

米雇用統計そのものが“マチマチ”だったことを考えれば、「テーパリングは11月決定」という現在の織り込み具合は過剰反応といえなくもありません。
このため「いつ反落してもおかしくない」との懸念が頭をよぎりますが、一方で「膠着から上放れたばかり」という現実が覆い隠す可能性はゼロではありません。

懸念として警戒しておきたいのは、やはり「米インフレ動向」でしょう。
今週はインフレ関連の米経済指標がいくつも予定されていますが、悪化すれば「テーパリングは11月決定」との基本路線が後退する可能性があり、良化すれば「世界経済のスタグフレーション懸念」を促しかねないというジレンマを抱えていることです。

「膠着から上放れたばかり」という現状を踏まえれば、“もう一段の上値追い”は十分に期待されるところです。
特に“月足・一目均衡表先行スパン上限(112.371円)”とほぼ重なる“19/4/24高値(112.398円)”を明確に上回ることがあれば、そうした意識はより高まると見るのが自然でしょう。
それでも前記懸念を踏まえれば、“高値をついていく”には慎重姿勢で臨みたいところです。
だからといってそれが“ドル売り”につながると見るのは、些か拙速とも考えますが…。

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プロフィール

  • 著者近影 武市佳史(たけちよしふみ)
    大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。 日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。現在ではマネーパートナーズのチーフアナリストとして、為替コラムの執筆やWebセミナーの講師を務めるだけでなく、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。


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