新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【南アフリカランドの材料と予測】
先週のドルランドは16.772オープン、16.2785クローズで2.94%の下落、ランド円は6.44クローズで1.93%の上昇となっています。
9月8日発表の南アフリカの4~6月期のGDPは前期比-16.4%、年率-51%と激しい数字となりました。一方で8月のABSA製造業PMIは57.3と7月の51.2からさらに加速し製造業の回復が顕著になっています。
しかし、9月3日に発表されたHSBC全体経済PMIは45.3と回復していますが、製造業に比べ非製造業の回復が遅れていることがわかります。
17日にラマポーザ大統領は南アフリカのロックダウンレベルを2から1に引き下げたことで非製造業の回復に寄与する可能性もあり期待されます。
同じく17日にSARB(南アフリカ中央銀行)は政策金利を予想の0.25%引き下げに反して3.5%に据え置きました。声明では先行き不透明感は高いままであり、今後の決定はデーター次第としました。
据え置きを好感してランドは週の高値に上昇しています。
ドルランドはここまでサポートされていた16.33ランド付近を下抜けしてドル安ランド高になっています。ドルランドは2019年12月の安値13.9622から4月6日の高値19.3479の50%戻しの16.65を下抜けして、61.8%戻しの16ランド付近への下落を予想します。
ZAR/JPY 日足BIDチャート
ランド円は8月10日の安値5.957円から上昇トレンドが続いており、短期的には一目均衡表の転換線が位置する6.343円付近がサポートとして機能しています。ここが維持できれば7月22日の高値6.54円、6月10日の高値6.554円を試しに行くと思います。しかし6.55円付近は中期的にレジスタンスレベルとして機能し、ここの上抜けは難しいのではないかと思われます。
【メキシコペソの材料と予測】
メキシコペソは引き続き堅調に推移しています。ドルメキシコペソは8月4日の高値22.9095から下落を続けて20.9212まで下落しています。メキシコのCOVID19の感染者数は680,931人(ジョンホプキンス大学HPより)と世界で7番目の数字ですがペソ自体は堅調に推移しています。
ドルペソは6月8日の安値21.478付近を下抜けし、2月の安値18.50~4月6日の高値25.778の61.8%戻しの21.30付近も下抜けしてきています。
25.778の高値起点のフィボナッチ・エクスパンション1.618倍の20.84付近が当面のターゲットになります。ここが維持された場合は一目均衡表の転換線の21.43、基準線の21.65付近への反発を予想します。
MXN/JPY 日足BIDチャート
ペソ円は8月4日の安値4.626円を底に上昇トレンドが続き15日に5.031円まで上昇しましたが4.999円付近で推移しています。しかしオシレーター系のRSIを見るとややダイバージェンシー気味になっており上昇の勢いが衰えています。5円付近が一旦高値となり、一目均衡表の転換線の4.927円付近への下落を予想します。
【ドルトルコリラの材料と予測】
先週のドルトルコリラは7.4754オープン、7.5588クローズで節目の7.5を超えて1.12%の上昇となりました。リラ円は14.1555円オープン、13.816円クローズで2.39%の下落となりました。
先週は予定されていたトルコとギリシャの会談がキャンセルされたことで東地中海をめぐる紛争の解決への期待が剥落しました。
11日に格付け会社ムーディーズがトルコの格付けをB1からB2に格下げし見通しもネガティブとしました。ムーディーズは対外的な脆弱性が国際収支の危機をもたらす可能性が高く、財政的な余力が損なわれつつあると指摘しました。
会談の中止と格下げを受けてドルトルコリラは節目の7.5を超えて7.5642リラまで上昇しリラ安が進んでいます。リラ円も節目の14円を下抜けし13.788円まで下落しました。
TRY/JPY 日足BIDチャート
エルドアン大統領はメルケル首相と電話会談を行い東地中海問題でトルコに対しても公平な扱いをするように求めたようです。来週のEU会談でトルコに対する制裁が話し合われる予定ですがマクロン・フランス大統領がトルコに対して厳しい姿勢を示す中で、メルケル首相は比較的トルコに対しては中立的な姿勢のようです。
EU会談を前にトルコリラの下落は止まりません。最安値を更新する中で上値は重くなっています。
レンジとチャートは17日深夜時点までのものを利用しています