新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【トルコリラの材料と予測】
1月4日に発表されたトルコの12月のCPI(消費者物価指数)は14.6%となり11月の14%、予想の14.2%を上回る強い数字でした。エネルギー価格の上昇やリラ安が物価上昇の原因となりました。インフレ率の上昇を受けて次回1月21日のトルコ中央銀行政策決定会合での利上げ確率が高まりました。
5日にUAE、バーレーン、クウェート、オマーン、カタールのGCC(湾岸協力会議)は首脳会議を開きサウジアラビアは2017年以来国交を断絶していたカタールとの関係改善に踏み出しました。
サウジとカタールの関係修復でカタールに肩入れしていたトルコとサウジアラビアの関係修復の可能も出てきたために、このことはトルコにとっては好材料になります。
USD/TRY 週足BIDチャート
ドルトルコリラはリラ高が続いています。7.2470付近は2018年11月の安値5.1344~2020年11月の高値8.575のフィボナッチリ・トレースメント38.2%に当たります。また2018年8月の高値7.2362付近に当たり重要なサポートレベルです。ここが維持されるようなら7.24~7.74のレンジ、下抜けした場合は50%戻しの6.84付近への下落を予想します。
週足ベースのRSIは45.47%でまだ下落余地はあります。
TRY/JPY 日足BIDチャート
リラ円は14.252円まで上昇しました。2020年6月の高値16.239円~2020年11月の安値11.999円の50%戻しの14.129円付近を完全に抜けられるかどうかがポイントになります。ここが上抜けできれば61.8%戻しの14.635円付近への上昇を予想します。
ここを上抜けできないと38.2%戻しの13.62付近をサポートに13.62~14.13円のレンジを予想します。
【メキシコペソの材料と予測】
7日に発表された12月の消費者物価指数は前年同月比3.15%となり前月の3.33%、予想の3.16%を下回りました。野菜、果物の物価が抑えられたことが物価を抑制しました。消費者物価指数は7か月ぶりの低水準となりメキシコ中央銀行の政策目標の上限である4%を2か月連続で下回りました。
メキシコ中央銀行は11月、12月と2か月連続で政策金利を据え置きました。これは消費者物価指数が8月4.05%、9月4.01%、10月4.09%と政策目標を上回ったためです。11月に3.33%に低下したことで12月の政策決定会合では5名中2名の委員が0.25%の利下げを主張しました。
これらを考慮すると次回2月11日のメキシコ中央銀行の政策会合では0.25%の利下げの可能性が高まりました。
ただOPECプラスの会合で生産抑制が決まったためにWTIは一時51ドル台に上昇したことで原油価格の上昇がペソのサポート材料になっています。
USD/MXN 日足BIDチャート
ドルペソは6日に19.5911ペソまで下落しましたが19.9822付近まで反発しています。次回利下げと、原油価格の上昇、リスクオンのドル安の綱引きですがRSIを見るとダイバージェンシー気味になっており、ペソ高も一服しそうです。
一目均衡表の基準線が20.1236、23.6%戻し(22.69~19.591)が20.321、一目均衡表の雲の下限が20.518付近に位置しています。このレベルまでの反発を予想します。
MXN/JPY 週足BIDチャート
ペソ円は12月に5.286円と戻り高値まで上昇しました。5.334円付近が50%戻し(6.422~4.22円)が中期的なレジスタンスになっています。一方で一目均衡表の雲の上限が5.114円、38.2%戻しが5.07円付近に位置しており、このレベルが中期的なサポートになっています。来週もこのレンジを想定しています。
【南アフリカの材料と予測】
南アフリカのコロナウイルスの感染者数は1,149,591人、死者は31,368人と感染による被害が深刻になっています。(ジョージタウン大学HPよりCoronavirus COVID-19 (2019-nCoV) (arcgis.com))
6日に発表されたHSBC全体PMIは50.2と前月の50.3は下回りましたが、景気の転換点である50は上回っています。とは言え実体経済の状況は良くなく、7日発表の12月の自動車販売は37,490台と11月の39,081台から低下し前年比で10.1%の減少となりました。
USD/ZAR 日足BIDチャート
ドルランドは12月25日の安値14.4559を底に15.4605まで上昇しています。
一目均衡表の雲の下限が15.5374に位置し、ここがいったんレジスタンスになりそうですが基準線、転換線が14.95付近に位置しこのレベルが短期的なサポートになります。14.95~16.11(雲の上限、50%戻し)のレンジを予想します。
ZAR/JPY 日足BIDチャート
ランド円は12月25日に7.117円まで上昇後6.713円まで下落しています。
6.7円付近に一目均衡表の雲の上限6.68円付近に38.2%戻し(5.957~7.117円)が位置し、このレベルがいったんサポートなります。基準線、転換線が6.91付近に位置しこのレベルがレジスタンスとなり6.67~6.91のレンジを予想します。