新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【トルコのインフレ率は上昇しています】
1日に発表されたトルコの2020年10~12月期のGDPは前年同期比5.9%となりました。7~9月期の6.3%、予想の7.1%を下回りました。2020年通年では1.8%でした。
金融緩和によって銀行貸し出しが急増したことで成長を押し上げました。新車販売や住宅販売が増加したことが成長を支えました。
しかし失業率が13%に達し、外出禁止によってサービス業の落ち込みが続いています。
そのような中で3日に発表された消費者物価指数は前年比15.61%と前月の14.97%、予想の15.39%を上回りました。インフレ率が上昇する中で庶民の暮らしは苦しくエルドアン大統領の支持率も低下しています。
インフレ率が上昇する中で3月18日のトルコ中央銀行の理事会では利上げを予想する銀行も出てきました。支持率が低下する中でエルドアン大統領の中央銀行に対する圧力が復活しないか注目されます。
USD/TRY 日足BIDチャート
ドルトルコリラは一目均衡表の基準線、転換線が位置する7.20リラ付近がサポートし7.5107リラまで上昇しました。7.54付近がフィボナッチ・リトレースメント38.2%戻し(8.5750~6.8933)にあたり一目均衡表の雲の上限も位置しています。7.54付近は短期的に重要なレジスタンスで、ここが抜けなければ7.2~7.54リラのレンジを予想します。7.54を上抜けしてしまうと50%戻しの7.74リラ付近への上昇を予想します。
TRY/JPY 日足BIDチャート
リラ円は14.234円まで下落しましたが先週の安値14.163円がサポートされています。一目均衡表の基準線、転換線が位置する14.66円付近がレジスタンスとなりここが上抜けできないと14~14.66円のレンジが予想され下落トレンドは継続と予想します。
【財政赤字に警告が出ました】
先週のレポートで書きましたが24日にムボウェニ財務相は予算演説を行いました。2020年度(20年4月~21年3月)の公的債務はGDPでは80%になり、2019年度から15%増加することが明らかになりました。
この予算案に対して格付け会社のムーディーズとフィッチは警告を発しています。ムーディーズによると予算案の予測は控えめで債務負担の増加を防ぐことはできないとしています。利息の支払いと国営企業への支援についての不確実性は依然として高いと評価しています。
フィッチも同じような指摘をしており、政府債務は中期的に増加し続けBB-の格付けに対してネガティブな見通しであり下振れリスクがあると指摘しています。
一方でランドは比較的堅調に推移しています。
USD/ZAR 日足BIDチャート
ドルランドは2月24日に14.3863ランドまで下落しましたが15ランドをはさんで推移しています。一目均衡表の転換線の14.7872、基準線の14.8780付近が短期的なサポートとなり、先週の高値15.1881,そこを抜ければ1月28日の高値15.3697付近への上昇を予想します。
ZAR/JPY 日足BIDチャート
ランド円は2月24日に7.339円の高値まで上昇しましたが26日に7.008まで下落しました。その後7.026~7.19円のレンジで推移しています。7円が短期的なサポート7.19円がレジスタンスですが7円がサポートになり7~7.19円のレンジが想定されます。7円を下抜けした場合は一目均衡表の雲の位置する6.88円付近への下落を予想します。
【米長期金利の上昇でペソ安に傾いています】
2月25日に発表された2020年10~12月期のGDPは前期比3.3%と7~9月期の12.1%からは減速しましたが予想の3.1%を上回りました。前年比は4.3%減少となりました。
2020年通年では前年比で8.5%の減少となりました。感染の拡大で主力の自動車産業の落ち込みが減速の原因となりました。
1~2月は感染が拡大したことと、2月半ばの米国の寒波で米国からの電力供給が滞ったことでメキシコ北部では大規模な停電が起こりました。停電の影響で自動車生産の縮小や工場が稼働停止となったことで経済の減速が懸念されます。
メキシコ自体の経済の先行きに対する不安と米長期金利の上昇はペソの下落要因になっています。
USD/MXN 日足BIDチャート
ドルペソは1月21日に19.5406ペソまで下落しましたが、その後ペソ安となり21.0492ペソまでドル高ペソ安になっています。一目均衡表の基準線が位置する20.4658ペソがサポートとなり上昇トレンドが続いています。21.50ペソ付近への上昇を予想します。
MXN/JPY 日足BIDチャート
ペソ円は1月19日に5.304円まで上昇後に下落しています。一目均衡表の雲の上限が位置する5.2円付近がレジスタンスになっており、ここが上抜けできないと下落トレンドは継続と見ます。
上昇前のレジスタンスになった5円付近がサポートとなり、ここが維持できれば5~5.2円のレンジを予想します。