新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【トルコリラは引き続き軟調】
トルコは新規感染者数が6.2万人を上回り、エルドアン大統領は13日に患者数抑制のために2週間の制限措置を導入しています。
トルコの野党共和人民党は2019~20年におこなわれた中央銀行による外貨売却を批判しています。トルコ中央銀行は19~20年にリラ防衛のために1280億ドルの外貨売りリラ買いを行いました。複数の国営銀行に対するスワップを通じて外貨売却となりましたが、これによってトルコの外貨準備は枯渇しました。
この批判に対してエルドアン大統領は真実ではなく金額も誇張されていると反論。ただリラ防衛に1650億ドルの中銀資産が使われたと述べました。そのような外貨売りを再び行う選択肢があると述べています。
この問題は政争になっており共和人民党は中銀の過去の取引データー公開を求めていますが、エルバン財務相は公開する利点はあると19日に発言しています。エルドアン大統領は娘婿のアルバイラク財務相時代の取引のトルコ中央銀行の調査に不満で、それが3月の中銀総裁の更迭の原因の一つだったとの見方もあります。
またバイデン政権が第1次世界大戦中のオスマン帝国時代のトルコによるアルメニア人の大量殺害について正式にジェノサイドに認定する見込みと報道されています。これによってトルコと米国の関係が悪化する可能性があります。
USD/TRY 日足BIDチャート
これらの材料でトルコリラは軟調に推移し16日の安値7.9966リラから8.3642リラ付近までドル高リラ安になっています。8リラ付近がサポートとなっており、前回高値の8.45がレジスタンスのレンジの継続を予想します。
TRY/JPY 日足BIDチャート
リラ円は13.53円付近がレジスタンスとなり一時12.858円まで下落しました。
25日移動平均線が13.55付近に位置し下落トレンドは続いていますが、RSIが20.5%まで低下しています。12.858円付近は短期的にはサポートされ12.5付近のレンジを予想します。
チャートは日足です。
【堅調なランド】
21日に発表された南アフリカの3月の消費者物価指数は前月比0.7%と2月、予想の0.7%と一致しました。前年比は3.2%と前月の2.9%から上昇、予想の3.2%と一致しました。
コア指数は前月比0.5%と前月の0.6%、予想の0.7%を下回りました。前年比は2.5%と前月の2.6%、予想の2.7%を下回りました。
USD/ZAR 1時間足BIDチャート
エネルギー価格や食料価格の上昇が全体指数を上昇させました。指標の発表を受けてドルランドは14.32ランド付近から下落しました。
ドルランドは16日に14.1336ランドまで下落し2019年12月以来のドル安ランド高水準になりました。
ここまでサポートされていた14.35ランド付近がレジスタンスとなっています。ドルの長期金利の低下によってランドは恩恵を受けドル安ランド高が続いています。14.35が上抜けできなければ14.15~14.35のレンジ継続を予想します。
ZAR/JPY 1時間足BIDチャート
ランド円は16日に7.681円まで上昇し昨年3月以来の高値となりました。その後下落していますが7.53円付近が短期的なサポートレベルとして機能しており、ここが維持されれば20日の戻り高値7.63円付近への上昇を予想します。
一方で7.53円付近を下抜けすれば13日の安値7.44円付近への下落を予想します。
チャートは1時間足です。
メキシコ国家統計局は22日に4月前半の消費者物価指数を発表しました。前年比で6.05%の上昇となり3年4か月ぶりの高い上昇率となりました。エネルギー、飲料、タバコなどの上昇が指数を押し上げました。
前月比でみると0.06%の上昇で変動の大きな食品とエネルギーを除くコア指数は前月比0.18%、前年比4.13%の上昇となりました。
今回の上昇は原油価格の上昇の影響も考えられ、今後の消費者物価指数の動きが注目されます。
メキシコ中央銀行の金融政策はインフレターゲットを3%±1%に抑えることを目標としており、次回5月13日の会合では据え置きが予想されています。
USD/MXN 1時間足BIDチャート
ドルメキシコペソは下落トレンドが続いており20日に一時19.7757ペソまで下落しペソ高が続いています。その後19.9836ペソまで反発しましたが20ペソ付近に一目均衡表の転換線が位置し、ここが短期的なレジスタンスとして機能しています。4月以降のこの転換線が上値の目途になっており、ここが上抜けできないと19.77~20ペソのレンジを予想します。
MXN/JPY 1時間足BIDチャート
ペソ円も上昇トレンドが続いており、16日に5.469円と昨年3月以来の高値まで上昇後に5.42円付近で推移しています。
5.4円付近は短期的なサポート、5.44円が短期的なレジスタンスになっています。5.44円を上抜けできれば5.469円の高値付近への上昇を予想します。
チャートは1時間足です。