新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【トルコ中央銀行の金利据え置きでリラ堅調】
14日にトルコ中央銀行は主要政策金利の1週間物レポレートを予想通り19%に据え置きました。声明では様々な指標が中期インフレ率の恒常的な低下が示されるまで政策金利をインフレ率を上回る水準に据え置くとタカ派的なスタンスを維持しました。
6月のインフレ率は17.53%に上昇、経済活動の再開に伴い上昇する可能性を中銀は指摘しています。エルドアン大統領の動きが気になりますが、今のところ静観を決め込んでいます。インフレ率は9月に19%でピークアウトするという予想もあり、もう少し中銀はタカ派的なスタンスを維持する可能性が高いと思われます。
USD/TRY 日足BIDチャート
ドルリラはドル安リラ高の流れになっています。8.6384リラに一目の基準線、8.6241リラに25日移動平均線が位置しレジスタンスになっています。8.5395リラに一目の基準線、雲の上限が位置し、ここが維持されれば8.5395~8.638リラのレンジ、下抜けした場合は雲の下限の8.3633リラ付近への下落を予想します。
TRY/JPY 日足BIDチャート
リラ円は先週の安値12.552円から上昇が続いています。12.845円が一目の基準線、12.884円に50日移動平均線が位置し短期的なレジスタンスになっています。ここが上抜けすれば一目雲の上限の13.02円付近への上昇を予想します。
チャートは日足、一目均衡表、25,50日移動平均線、RSI、MACD、ADX
【政情不安でランド下落】
ドルランドは14日に14.7802ランドと3月以来のドル高ランド安となっています。
7日にズマ前大統領が収監されました。2009~18年政権を維持したズマ氏時代には汚職や縁故主義が横行しました。汚職疑惑に対して裁判所の調査に協力しなかったとのことで法廷侮辱罪で禁固刑が決まり収監されました。これに対してズマ氏の支持者たちが大統領収監に抗議して14日までに死者72人、逮捕者1200人(日経新聞による)に達しています。
コロナ感染の拡大に加えて1~3月の失業率が32.6%に達していることで若年層を中心に国民の不満が高まっていることで暴動が発生しています。
USD/ZAR 日足BIDチャート
ドルランドは4月以降レジスタンスになっていた14.5ランド付近を上抜けし、短期的には14.5ランド付近がサポートとなり上昇が続いています。14.5ランドが維持されれば下落前の高値15.10ランド付近への上昇を予想します。
ZAR/JPY 日足BIDチャート
ランド円は一時7.468円まで下落後に7.55円付近で推移しています。一目の転換線が位置する7.645円付近が短期的なレジスタンス、ここを抜けても7.73円付近に25日、50日移動平均線、7.77円付近に基準線が位置し中期的なレジスタンスになっています。このレベルが上抜けできないと下落トレンドは継続し7.4円付近への下落を予想します。
チャートは日足、一目均衡表、25,50日移動平均線、RSI、MACD、ADX
【ペソはレンジ内の動きに】
13日に発表された米6月の消費者物価指数は前期比0.9%、前年比5.4%の上昇と5月の0.6%、5%から上昇が加速しました。変動の大きな食料・エネルギーを除いたコア指数は前月比0.9%、前年比4.5%とこちらも5月の0.7%、3.8%から上昇が加速しました。
USD/MXN 日足BIDチャート
強い米国の消費者物価指数を受けてドル買いが加速し、ドルペソは20.0723ペソまで上昇し週の高値となりました。しかし翌日パウエルFRB議長の議会証言はハト派的なスタンスとみなされドルペソは19.8463ペソまで下落しました。
ここのところドルペソは19.8~20.07ペソの狭いレンジで推移しています。引き続きこのレンジでの推移を予想します。
MXN/JPY 日足BIDチャート
ペソ円は6月24日に5.619円まで上昇後に一時5.445円まで下落しましたが、5.5円付近がサポートされています。
一目均衡表の雲の上限が5.497円、50日移動平均線が5.494円に位置し5.49円付近が短期的なサポートとなっています。ここが維持されれば5.49~5.6円のレンジが継続とみています。一方で一目均衡表の雲の下限、基準線が5.459円付近に位置し、このレベルを下抜けすると5.4円付近への下落を予想します。
チャートは日足、一目均衡表、25,50日移動平均線、RSI、MACD、ADX