新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【利下げ観測でリラ安が継続】
3日に発表された10月の消費者物価指数は前年比19.89%の上昇となり予想の20.4%は下回りましたが2年半ぶりの高水準となりました。生産者物価指数は前月比5.24%の上昇、前年比46.31%の上昇と、こちらも物価の上昇が鮮明になりました。
一方でエネルギーと食品を除いたコアインフレ率は16.82%と前月の17%から低下しました。
トルコ中銀は最近はコアインフレ率を重視しており、コアインフレ率の低下とエルドアン大統領の利下げ圧力でさらなる利下げがあるのではないかと市場が予想していることでリラが最安値に下落しました。
USD/TRY 1時間足BIDチャート
4日にドルトルコリラは一時9.7649まで上昇(リラは下落)しました。一部の銀行は11リラへの下落予想も出ておりリラ安の継続を予想します。
9.6リラ付近が短期的なサポートとして意識されます。
TRY/JPY 日足BIDチャート
リラ円は3日に11.614円と最安値まで下落した後に12.087円まで反発しましたが、12.059円に一目均衡表の基準線、12.102円に25日移動平均線が位置し12.10円付近がレジスタンスになっています。ここを上抜けできないと11.484~12.10円のレンジを予想します。
【選挙結果で一時ランド安に】
1日に行われた5年に一度の地方選挙で与党のANC(アフリカ民族会議)は得票率が50%を割り込み1994年の政権獲得以来最低の水準に落ち込みました。2016年の選挙では54%の得票率でした。
得票率では2位がDA(民主同盟)、3位が経済開放の投資になっていますがANCの優位は揺らいでいません。
USD/ZAR 1時間足BIDチャート
しかし選挙結果を受けてランドは下落し、ドルランドは3日に15.4837ランドと3月以来のドルの高値ランドの安値までランド安が進みました。
しかしFOMC後のリスクオンの流れを受けて新興国通貨が上昇すると、ドルランドも15.2154ランドまで下落しました。
15.35付近が短期的なレジスタンスになっており、ここが抜けないと一目均衡表の転換線が位置する15.06,25日移動平均線が位置する14.97付近と節目の15ランド付近への下落を予想します。
ZAR/JPY 1時間足BIDチャート
ランド円は2日に7.326円まで下落しましたが、ドルランドの下落もあり7.511円まで上昇しました。7.31円付近は前回安値でもあり短期的にはサポートレベルとして機能しています。
ここが維持されれば7.6円付近への反発を予想します。
【11日にメキシコ中銀の利上げはあるか】
先週発表されたメキシコのGDPは前期比-0.2%、前年比4.6%と前回の1.5%、19.6%から大幅に減速しました。数字を受けてペソ安が進みました。
また3日のFOMCを前にしてドルは堅調に推移し、10月26日の安値20.1097から3日には20.9694ペソまでドルは上昇、ペソは下落という動きになりました。
FOMC前に20.9694ペソまで上昇しましたが、FOMCの結果米長期金利の上昇は抑えられ、米国の利上げ観測が牽制されたことでドル安の流れとなり、新興国通貨は全般的に上昇しました。
USD/MXN 日足BIDチャート
ドルメキシコペソも下落し5日に20.4799ペソまでドル安ペソ高の流れとなりました。
25日移動平均線が20.4359ペソに位置しこのレベルが短期的なサポートとして機能しています。
11日にはメキシコ中央銀行の金融政策が発表されます。前回9月30日の理事会では0.25%利上げし政策金利を4.75%としました。5対4の結果の利上げになったことや、メキシコ中央銀行のインフレ目標が6.2%と8月の予想5.7%から引き上げられたこと。またインフレ率が目標に戻る時期を前回予想の22年1~3月期から22年7~9月期に後ずれさせたことなどを考慮するとメキシコ中銀はタカ派的なスタンスをさらに踏み込んだ印象があります。そのため11日の理事会でも利上げがあるのではないかと予想しています。
利上げ期待がある中で21ペソ付近はレジスタンスとなり20.4359~21ペソのレンジ、21.4359を下抜けする場合は一目均衡表の雲の上限が位置する20.30ペソ付近への下落を予想します。
MXN/JPY 日足BIDチャート
ペソ円は2日に5.433円まで下落しましたが5.52円付近で推移しています。
5.44円付近に志々目均衡豹の雲の下限が位置し、サポートレベルとして意識されます。ここが維持されれば5.44~5.66のレンジを予想します。
いずれにせよ11日のメキシコ中銀理事会に向けて、ペソはやや堅調に推移するのではないかと思われます。