新興国通貨　四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント


【リラは最安値に下落】
23日にドルトルコリラは前日比で15％超下落し１ドル13リラ台中盤までドル高リラ安がすすみました。22日エルドアン大統領は外国勢力がトルコ経済を攻撃しようとする陰謀がある。これに対して経済的な独立戦争に勝利すると述べ、トルコ中央銀行の金融緩和を容認する姿勢を示したことでリラ安が加速しました。
米長期金利の上昇で世界的にドルが堅調に推移する中で、トルコ政府の姿勢が通貨安を加速させています。
リラ急落を受けてカブジュオール・トルコ中銀総裁はエルドアン大統領と会談し、過度のボラティリティが見られた場合は介入が可能になると市場をけん制しました。
ドルトルコリラの13リラ台、リラ円の8円台では短期的なセリング・クライマックス感もあり一旦反発しています。

USD/TRY　1時間足BIDチャート


ドルトルコリラは13.3227リラの最高値まで上昇後に13.048とダブルトップをつけて一時11.56リラまで下落しました。
根本的なリラ防衛策は示されておらず不安定ですが12.50リラ付近が短期的なレジスタンスとなり11.50～12.50のレンジに落ち着いています。11.50が下抜けすれば短期的にはリラ安終了と思われますが、ここが維持されれば11.50～13.50のレンジを予想します。

TRY/JPY　1時間足BIDチャート


リラ円は10円、9円と節目を抜けて8.435円まで下落しました。その後9.91円まで上昇しましたが9.6円付近で推移しています。
9.25円付近が短期的なサポートとなっており、ここが維持できれば9.25～10円のレンジ、下抜けした場合は8.5円付近が次のサポートと思われます。

【ランドは1年ぶりの安値圏に下落】
19日に予定されていた格付け会社S&Pとムーディーズの格付け見直し発表は行われませんでしたが影響は限定的でした。
パウエルFRB議長続投による米長期上昇を受けて新興国通貨が全般的に売られる傾向にあり、南アフリカランドも米長期金利上昇の影響を受けてドル高ランド安のトレンドになっています。

USD/ZAR　週足BIDチャート


18日にレジスタンスになっていた15.5ランドを上抜けしてドル高ランド安が加速しました。16ランド付近は2020年11月に下抜けするまでサポートされていたレベルで中期的なレジスタンスとして意識されます。
ここが上抜けできな15～16ランドのレンジを予想します。

ZAR/JPY　日足BIDチャート


ランド円もサポートされていた7.3円付近を18日に下抜けして7.197円まで下落しました。
7.29円付近まで反発していますがサポートレベルだった7.3円が短期的なレジスタンスとして意識されます。ここが抑えられれば7.11（8月安値7.116円）～7.3円のレンジ、上抜けした場合は7.4円付近への上昇を予想します。

【次期中銀総裁人事がペソの下落要因に】
米長期金利の上昇を受けたドルの上昇で、ドルメキシコペソも22日に3月以降レジスタンスになっていた21ペソを上抜けしました。
6月にロペスオブラドール大統領から次期メキシコ中銀総裁に指名されていたエレラ前財務・公債相は指名を撤回され、ビクトリア・ロドリゲス財務副大臣が次期総裁に起用することを発表しました。
ロドリゲス氏はロペスオブラドール大統領がメキシコ市長時代に登用された人物で財務官僚としては目立った業績がありません。特に理由のない中での交代劇に市場はロペスオブラドール大統領が市場に介入する手段になるのではないかと懸念しています。

USD/MXN　週足BIDチャート


この決定を受けてペソは一時21.6038ペソと週の高値までドル高ペソ安が加速しました。
ロドリゲス氏の就任には上院の承認が必要ですが、上院は与党勢力が多数派を占めているために承認は問題がないようです。
ドルペソは節目の21ペソを上抜けしたことで、このレベルがサポートされドル高が継続すると予想します。22ペソが短期的なレジスタンスとなり21～22ペソのレンジを予想します。

MXN/JPY　週足BIDチャート


ペソ円は5.331円まで下落しました。5.4円付近に104週移動平均線、5.35円に一目均衡表の雲の上限が位置してサポートされています。6月の安値5.3円付近が重要なサポートとして機能しています。ここが維持できれば5.3～5.5円のレンジ、下抜けした場合は5.2円への下落を予想します。