マネパFX情報室

西本豪のFX初心者⇒中級者の教科書
初心者の相場分析はファンダメンタルズか?それともテクニカル分析か?

2023/03/16
FXを始めるに当たってFX初心者とは言え1人の相場師になった訳ですから、相場を分析してから取引を行う必要があります。

でも、いきなり「相場分析をしろ!」と言われてもどうやって予想して良いのか全く分かりませんよね?

そこでここでは、初心者のために大きく分けて2つの相場分析の方法についての解説と、『性格による向き不向き』のお話をさせて頂きます。
もし宜しければ、今回も最後までお付き合い頂けましたら幸いです。

そもそも相場の分析方法とは?

さてFX初心者の皆様にとって、「相場の分析方法は大きく分けて2つあるよ?」と言われてもあまりピンと来ませんよね?
そこでまずは皆様に『ファンダメンタルズ分析』と『テクニカル分析』という言葉について覚えていただきたいと思います。
どちらも中級トレーダーを目指す上で非常に重要な為替用語になってきますので、以下をご覧ください。

ファンダメンタルズ分析とは?

ファンダメンタルズ分析とは、主に経済ニュースや各国が発表する経済指標を元にして、現在の相場を分析し、将来の相場を予想する方法となります。

テクニカル分析とは?

テクニカル分析とは、過去の相場の値動きを元にして将来の相場を予想する方法で、主にチャート(値動きを示したグラフ)やテクニカル指標(相場分析ツール)を利用した分析となります。

ファンダメンタルズ分析は文系?


皆様にファンダメンタルズ分析とテクニカル分析について知っていただけたところで、続いては「実際どのような人がファンダメンタルズ分析に向いているのか?」と言うお話をさせていただきたいと思います。

ファンダメンタルズ分析は、ざっくりとお話しすると、過去に起きた事件やイベント、それに現在リアルタイムで起きている(もしくはこれから起こるであろう出来事)を比較・分析して将来の相場を予想していくことになります。

そのため、ファンダメンタルズ分析を行うに当たり、毎日膨大な量のニュースや経済情報を読み込み、頭に叩き込む必要があり、更に経済指標など各国の政府や民間企業が発表する数字の良し悪しや要人の発言内容なども合わせて分析・判断していく必要があります。

初心者にはハードルが高い?

こうしてファンダメンタルズ分析についてのお話をすると、必ず「いや~私は完全にファンダメンタルズ分析は無理ですね・・」と言うご回答を頂きます。
と言いますのも、やはりファンダメンタルズ分析はどうしても長期にわたって相場やニュースについての学習期間が必要になるため、分析するスキルを身に付けるまでの時間もまた長期になってしまうためです。

しかしながら、日ごろから推理小説を好んで読んでいたり、物語の裏側について知りたいと思うような文系の方にとって、「これ以上のマッチした相場分析方法は無い!」ので、是非、これを機にチャレンジして頂ければと思います。
ただ、「具体的にどのようにして相場を分析していくのか?」なかなかイメージができないと思いますので、続いてはファンダメンタルズ分析の流れについてご紹介させて頂きたいと思います。

ファンダメンタルズ分析の流れ

ファンダメンタルズ分析では「今起きている災害がどの程度の被害となっていて、これから被害や対応がどのようになっていくのか?」そして「どれほどの相場変動があり、今とどう違うのか?」と言う予想と現実の差を埋めていく方向で相場を見ていくことになります。

例えば、あって欲しくはないことですが、万が一の相場に備える意味も込めて「今後、日本で地震などの大規模な災害が起きた場合、ファンダメンタルズ分析を利用して取引を行うとどうなるか?」を題材にした、ファンダメンタルズ分析の世界に触れて頂きたいと思います。
東日本大震災時の相場

まず、ファンダメンタルズ分析では、必ず過去の比較対象となる出来事が必要になるのですが、日本における地震などの災害として比較対象となる直近の過去の出来事として、やはり『東日本大震災』を頭に浮かべて、「震災当時の相場の動きと現在の相場と比較してどのような差が生まれているのか?(または同じなのか?)」を分析していくことになります。

そこで「東日本大震災の時の相場がどうだったか?」と言いますと、東日本大震災時の相場は「米ドル円相場は震災直後から円高方向へ向かって行った!」と言うのが模範回答になります。

過去の地震が起きた時の相場展開が分かったら、今現在の地震の被害状況を確認しながら比較して相場の動き方と見通しを立てて行くわけですが、もし相場が円安方向で動いているとしたら、「あれ?過去の値動きと違うぞ?」とそのギャップを埋めていく方向で取引(つまりは相場は円高方向に動いていくのでは?と考えた取引)を行っていくことになります。
「少しファンダメンタルズ分析についてのイメージを持って頂けたでしょうか?」
ファンダメンタルズ分析については、これくらい知って頂けたら十分なのですが、こちらにいらっしゃる初心者トレーダーの皆様には、是非、中級トレーダーを目指して頂きたいので、震災時の相場展開についてもう少し詳しくお話しておきたいと思います。
東日本大震災時のファンダメンタルズ分析
先ほど、東日本大震災での相場は『米ドル円相場は円高方向で動いた』とご紹介させて頂きましたが、実際には、地震のニュース速報が入った直後は『一気に円安方向に相場は動いた』と言うことについてプロトレーダーでも知らない方が多いです。

実は、この円安方向への動きにはファンダメンタルズ的な伏線があり、それは東日本大震災の17日前に起きた『ニュージーランドのクライストチャーチ地震の相場』が元になっていたりします。
クライストチャーチの地震では、地震の発生地となったニュージーランドの通貨である『ニュージーランドドル』は他の通貨に対して一気に売られることになり、その動きは一方的な『ニュージーランド安』となりました。

その記憶が新しいトレーダーたちは、東日本大震災が発生したとのニュースを受けてニュージーランドと同じように、地震が発生した国の通貨、つまり『日本の円を売る動き』で対応しました。

しかしその後、ニュージーランドと日本では大きく環境や経済状況が違うため、やはり東日本大震災の比較対象になる過去の地震としては絶対に外すことができない、16年前に行われた『阪神淡路大震災での相場の動き』が投資家の頭をよぎるようになります。
阪神淡路大震災では一方的に円を買う動きが継続して、震災後に米ドルに対して史上最高値を更新する動きとなったのですが、その強いイメージを持った投資家達は円安方向(円売り方向)の動きはファンダメンタルズ的におかしいとして、円高方向(円買い方向)へとシフトすることになります。
結果、阪神大震災同様に震災後に東日本大震災時でも米ドルに対して史上最高値を更新する動きになりました。
つまり、次に大きな地震が日本を襲った場合、ファンダメンタルズ分析では「震災直後は直近のニュースの影響で円安方向に動くこともあるが、最終的には米ドル円相場では市場最高値を再び更新するのでは?」と言う視野を持って取引をしていくことになります。
推理小説では「物語の序盤で犯人と思われた人が犯人ではなく、実際の犯人は影が薄かったAさんだった!」と言うことがあると思うのですが、ファンダメンタルズ分析はそれとソックリですよね?
「相場の物語はどのように動いているのか?」そうしたものに興味がある方は、是非、ファンダメンタルズ分析でトレードを初めて頂きたいです。

テクニカル分析は理系?


ファンダメンタルズ分析について長々とお話してしまったのですが、続いてはテクニカル分析についてお話させて頂きますね。

まず、テクニカル分析が向いている人についてですが、テクニカル分析ではファンダメンタルズ分析とは違い過去に起こった事件やニュースなどには一切注目することなく、目の前で起こっている値動きにのみ注目し相場を分析していくことになります。
そのためテクニカル分析に向いているかたは?というと、言うまでもなく数字に強い方、つまり『完全に理系の方』ということになってきます。

テクニカル分析の特徴は?

次に、テクニカル分析の最大の特徴として、『チャート』と言って相場の変動を示しているグラフを用いることで、『視覚的に相場を捉えることができる』というポイントが挙げられます。
テクニカル分析では、ファンダメンタルズ分析のように過去の出来事やイベントなど数値的に評価することが難しいものを排除して相場を見ていくことになるため、当然、現在の相場への理解も早くなります。
また、イメージしていただければ分かるかと思うのですが、過去何年分も積み上がった新聞を読み相場を分析するのではなく、目の前に表示されているグラフを見て相場を分析する訳ですから初心者にも始めやすい分析方法となります。

IT系だとさらに分析に強い?

テクニカル分析の1つのゴールとして、IT関係のお仕事をされていらっしゃる方が目指されることが多い『相場を機械的に分析して投資していく』と言うトレーディングスタイルがあります。

例えば、移動平均線やRSIといった、テクニカル指標と呼ばれる相場分析ツールを改造や自作して、取引に利用される方もいらっしゃいます。
そして最終的には、相場に対して個人の考えや主観などが完全に入らないようにするため、『自動売買プログラム』などを作成して、人に代わって100%機械が取引をしているケースもあります。

また、最近では機械学習が容易にできるようになったことから、AI(人工知能)をトレーディングに利用される方も増えてきており、テクニカル分析を極めてくると、そうした「自動取引やAI取引まで視野に入ってくるよ!」と心の隅に留めておいていただければと思います。

テクニカル分析の情報量

テクニカル分析は、初心者トレーダーにとって入りやすいのは言うまでも無いのですが、注意点として「先は物凄く長いよ!」と言うことも覚えておいて頂けたらと思います。
毎秒単位で積み上がっていく相場データは膨大な量の数字となるのですが、中・上級トレーダーの中には、コンマ秒単位の相場(値動き)を全て保存・分析・解析して自動売買プログラムを作っていらっしゃる方も少なくありません。
データを保存するだけでハードディスクが1ヵ月で幾つも必要になるため、テクニカルトレーダーは最終的には情報量が勝負になってくることも心の片隅においてください。

相場分析ではどちらも少しずつ

さて今回は、「実際にトレードするにあたり、どのような方法が自分に合っているのか?」と言うお話から、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析についてのご説明と、その向き不向きについてまでお話をさせていただきました。

正直、私はニュース人間なので、相場分析は8割ファンダメンタルズ分析、2割がテクニカル分析と言うイメージでトレードを行っていますが、オススメとしては、初心者トレーダーの皆様には、先ずテクニカル分析を軽く体験して頂いて、その後、ファンダメンタルズ分析にも触れていただければと思います。
と言いますのも、テクニカル分析にのめり込んでいくと、途中でどうしてもファンダメンタルズの知識が必要になってくる局面がやってくるためです。

テクニカル分析派の方の中には「ファンダメンタルズ分析は全く必要ない。値動きが全て物語っている」とおっしゃられる方もいらっしゃいますが、ファンダメンタルズ分析は経済勉強にもつながりますので、学生の方にとっても経済感覚を養う上でとても有益な教材だったり致します。

なかなか何から始めたら良いか分からないのがファンダメンタルズ分析だったり致しますが、良かったらトレードの合間にでもニュースを読んで頂いて、現在の相場展開とニュースをシンクロさせて見ていく癖を付けて頂けたら嬉しいです。

今回も、私のお話に最後までお付き合い頂きまして本当にありがとうございます。皆様のトレーディングライフに少しでも光を指しいれることができていれば嬉しいです。
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西本豪

西本豪

起業家/投資家。オーストラリア大手通信事業でのセールス時代にリーマンショックを経験。
『汗水流した給与も為替の影響で一瞬で半額になること』を知り、学生時代から始めたFXの世界へ本格参戦。
短期売買でエントリーしたポジションをスイングや長期ホールド型に伸ばすトレードを得意としています。

27歳でカナダで留学生向けのサービス会社を設立。
現在は、株式会社Childishの代表取締役としてココア留学・人材育成事業・IT広告事業・海外永住権・音楽家のサポート事業などを兼任しながら、投資家としても活動するマルチタスカー。

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