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為替モーニング東京市場2024年5月7日

2024年05月07日
(コラム執筆時間:08時56分)

鈴木予想レンジ

※コラム執筆時点における、筆者の予想レンジです。

通貨ペア予想レンジ
ドル円152.50~154.50
ユーロ円165.00~167.00
ユーロドル1.0680~1.0830
豪ドル円100.50~102.50
相場状況の振り返りと今後の展開予想

先週末の米雇用統計では、非農業部門雇用者数(NFP)が17.5万人増と基準の20万人を割り込むと共に、予想からも大きく下回った。また失業率も3.9%に悪化したほか、注目の平均時給も前年比3.9%と4%を下回り、2021年6月以来の低水準まで鈍化したことが、ドル売りを誘発させている。そんな中、米国の短期金融市場では遠退きつつあった年内利下げ期待が再び復活しており、相対的にドルロングを手仕舞う動きが優勢になっている。いずれにしても市場には中国経済のデフォルト懸念や地政学的リスクなどの様々な要素が絡み合い、相場自体の難易度を深めているが、政府日銀が過度な円安に警戒感を強めていることは間違いなく、当面、円ショートは自重局面にある。ただ更なる実弾投入の効果も限定的になる可能性も高く、政策方針を含めた政府日銀の手腕が問われている。引き続き波乱含みの展開が予想されるだけに、通常よりもレンジ幅を拡大し、少なめのナンピン売買で対応することが得策であろう。

一方、ドル円は政府日銀の介入効果もあって戻りは限定的になっているが、米雇用統計悪化を踏まえて一時ドル円は152円割れになるなど、下値を模索している。ただ日米金利差拡大が依然として意識される中、過度な円高局面は描きづらい状況にある。先に植田日銀総裁が円安は物価上昇に影響なしと述べてはいるが、根本的には円安による副作用が物価上昇や国際競争力低下、そして賃金上昇の伸び悩みなど如実に広がっており、もう一段の円買いを促す必要性がある。少なくとも心理的節目である150円割れを見るまで、当面は実弾投入の継続性、そしてタカ派姿勢を想起させる政策方針を打ち出すことも一考であろう。引き続きレンジ幅ドル円152.50~154.50円まで拡大し、同レベル前後から少なめのナンピン売買で対応することが賢明であろう。

他方、ユーロドルは米ドル主導の展開ではあるが、FRBの利下げ観測が再浮上しており、拙速的な下値トライは慎重になっている。引き続きレンジ幅1.0680~1.0830を重視し、同レベル前後からナンピン売買で対応することが賢明であろう。

●戦略的には、ドル円は前述したレンジ幅を重視し、152円台半ば前後から押し目買いと共に、154円台半ば前後からナンピン売りで待機することを勧める。一方、ユーロドルは1.07割れから押し目買いと共に、1.08台以上からナンピン売りで待機することを勧める。

●邦銀勢によれば、様子見スタンスを強める中、輸出企業は戻り売りを優先しており、現状ではドル円154円台半ば前後からナンピン売りで待機姿勢を強めている模様。一方、輸入企業は152円前後を中心に、152円台半ば前後から少なめの押し目買いで対応している模様。

●海外勢によれば、方向感に乏しい中、調整色を強めている。現状ではユーロドル1.07割れから押し目買いと共に、1.08台以上からナンピン売りで待機姿勢を強めている模様。

●クロス円は、ドル円152円前後ではロング、154円台半ば前後ではショートをイメージし、ユーロ円は165円前後から押し目買いと共に、167円前後からナンピン売りで待機することを勧める。一方、豪ドル円は100円台半ば前後から押し目買いと共に、102円台半ば前後からナンピン売りで待機することを勧める。

市場ストップロス・オーダー状況
通貨売り買い
ドル円152.00155.00
ユーロ円164.50167.50
ユーロドル1.06301.0880
豪ドル円100.00103.00

※筆者の独自取材による、国内機関投資家などからのストップロス・オーダーが多く出ているラインです。
新規注文の際や、保有ポジションの見直しを計るうえでの参考のひとつにしてください。

トレード実績

筆者の個人的なトレードによる収支実績及び売買予定を公開しています。
※文中の記号・略語については巻末の解説をご参照ください。

市場のストップロス・オーダー状況
通貨売り買い
ドル円152.00155.00
ユーロ円164.50167.50
ユーロドル1.06301.0880
豪ドル円100.00103.00
現在のポジション
豪ドル円ロング50,000☆100.50(SP100.80売り)
2024年5月収支経過 (01~07日)
通貨プラスマイナス前日比
ドル円+¥150,000+¥100,000
ユーロ円+¥100,000+¥75,000
ユーロドル
豪ドル円+¥155,000+¥80,000
前日の売買 東京市場(5/02)
ドル円売り50,000☆156.00(SL156.50買い)
ユーロ円売り50,000☆167.00(SL167.50買い)
前日の売買&予定 海外市場(5/02)
ドル円売り50,000156.00(SL156.50買い)
ドル円買い50,000☆△154.00(156.00ショートカバー)+¥100,000
ユーロ円売り50,000167.00(SL167.50買い)
ユーロ円買い50,000☆△165.50(167.00ショートカバー)+¥75,000
ユーロドル売り50,0001.0780(SL1.0830買い)
ユーロドル買い50,0001.0630(SL1.0580売り)
豪ドル円売り50,000102.50(SL103.00買い)
豪ドル円買い50,000☆100.50(SL100.00売り)
本日の売買予定 東京市場
ドル円売り50,000154.50(SL155.10買い)
ドル円買い50,000152.50(SL151.80売り
ユーロ円売り50,000167.00(SL167.50買い)
ユーロ円買い50,000165.00(SL164.50売り)
ユーロドル売り50,0001.0830(SL1.0880買い)
ユーロドル買い50,0001.0680(SL1.0620売り)
豪ドル円売り50,000☆△102.10(100.50ロングカバー)+¥80,000
豪ドル円売り50,000102.50(SL103.00買い)
豪ドル円買い50,000100.50(SL99.80売り)
記号・略称解説

ロング=買い、ショート=売り
△=プラス、▼=マイナス
☆新規、★実行済み
SL=損失確定(Stop Loss)
TP=利益確定(Take Profit)

本レポートは朝夕2回配信。土日及び祝祭日は無配信のためSLのみ提示。
指値注文タイムリミット:東京市場 17:00、海外市場 5:00(日本時間)
SL/TPは最大100pips前後を目処に実施。最終のご判断は自己責任にてお願いいたします。

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プロフィール

  • 著者近影 鈴木郁雄(すずきいくお)
    フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネラル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず、デリバティブなどマネー部門を統括。 2001年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーと 親密に情報交換し、投資家心理を交えて独自の分析に定評がある。

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