前週末の強い米雇用統計を受けて、「米3月利下げ観測」は一段と後退した。
このため“ドル買い(戻し)”が進行する中、先週は“円売り(戻し)”も並立する格好となりました。
『マイナス金利解除後も、緩和環境が当面続く可能性高い(植田日銀総裁)』
『マイナス金利解除後も、緩和的な金融環境を維持(内田日銀副総裁)』
こうして“ドル買い+円売り”が進行する中、ドル円は9日に“年初来高値(149.568円:9日)”へと押し上げられ、そのまま先週の取引を終えています。
週明けの昨日は、「日本市場休場」のみならず、「中国の春節スタート」も重なったことで、マーケットは“閑散”としたムードが漂いました。
このため基本的には“動意薄”を強いられる中、概ね“高止まり(149円前半~半ば)”となって、次なる材料を待ち構えているのが実状といえます。
こうした中で今週は、注目の「米1月CPI」が予定されています。
短期金融市場を見ると、「米3月利下げ」の可能性はすでに“10%台”へと押し下げられていますが、「米5月利下げ」に関してはまだ“60%前後”を織り込んだままとなっています。
つまり「米早期利下げ観測」は“大きく後退”こそしているものの、まだ“後退余地はあり”ということにも…?
現時点の事前予想は“総合が横ばい(前月比+0.2%/前年比+2.9%)”“コアが伸び鈍化(+0.3%/+3.7%)”となっていますので、まずはここからの乖離具合が注目といえます。
ただ9日に発表された「米CPI・年次改定」では、12月分が“下方修正”されたものの、11月分は逆に“上方修正(+0.1%→+0.2%)”されたことで、12月分のコアに関しては“修正されず”となっています。
つまり“総合はすでに修正済”ということになりますので、より注目されるのは“修正されていないコア”と見るのが妥当ということになります。
ここで仮に“予想通り”となったとしても、“3%割れ”という事実は残ります。
それでいて“(予想を)下回る”となればインパクトは計り知れず、しかしながら“(予想を)上回って”も「米早期利下げ観測」を再燃させるには相応以上の上振れが必要…?
後は結果次第であり、また“150円の大台”の手前にはかなりのドル売りオーダーが待ち構えているとも聞き及びますが、やはり今回も“リスクは上方向”と考えながら、神経質なマーケットと向き合いたいところです。
《12:55》
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