FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > 為替大観 > 第568回 ~パウエル議長議会証言に注目~
為替大観

最新の記事

第568回 ~パウエル議長議会証言に注目~

2024年03月06日

株式市場の喧騒をよそに、商品市場が大きく動いた。まず「金」が史上高値を更新(終値ベース)した。これまでの最高値は2,143.82ドル/1オンスであったが、これは取引時間中(いわゆるザラバ)であり、終値ベースでは史上初の2,100ドル超えとなった。また、原油もほぼ4カ月ぶりに80ドル(期近1カ月先物)を超えた。フーシ派による紅海での船舶攻撃などで原油供給が制限されるとの懸念から急上昇、3月1日には80.82ドル/1バーレルまで上昇した。いずれも地政学的リスクやインフレ懸念が解消されていないとの見方である。

そのような中で、ドル円は150円台で神経質な取引が続いている。これまでの展開をチャートで確かめたい。2/14に150円台に上昇した後、現在は150.20円を中心として主に149.70-150.60円のレンジで推移している、一方で、円クロスで長期の安値を更新、円独歩安の様相となった。

例えばカナダ円、111.80円(2/23)と2008/11以来16年1カ月ぶりの安値、豪ドル円は99.06円(2/23)と2014/11以来9年2カ月ぶり、英ポンド円も191.32円(2/26)と8年6カ月ぶりの安値まで円は売られた。ユーロ円も163.72円(2/26)と昨年の15年3カ月ぶりの安値164.31円にあと59銭までの円安水準となった。しかしドルインデックスは104.976(23/11/14以来の高値)を付けた後、徐々に低下を続け、現在は103.68と2月2日以来の安値圏に近付いている。いわゆる円安・ドル安が円クロスで円全面安をもたらしたと言えよう。

ところで、今日のドル円は、調整気味の米国市場を受けて下落傾向にあるが、このまま151.94円の円安値突破はないのか、あるいは今は急激に進んだドル高円安相場の調整場面なのか、考えてみた。

まず鳥の目でドル円の過去推移を見た。2022年10月に記録した32年半ぶりの円安151.94円を突破すると、次の相場は1990年6月に遡る。筆者の記録では月ベースで見た高値が155.80円だ。そこに至るまでに152円、153円などのいわゆるフィギュアなどいくつかの節目はあろうが、151.94円を超えると次の大台狙いまでは早いのでないかと言う肌感覚がある。

そこでもう一つ、株価の長期チャートとドル円チャートを比較してみた。日経平均の長期チャートでは、はっきりと34年4カ月の往って来い相場が見える。折り返し点が2008年10月の6,994.90円(ザラバベース)となる。一方でドル円は期間的にはピッタリと一致はしていないが、スタートが1990年4月の160.20円、折り返し点が2011年10月の75.57円で、現在は34年ぶりの円安圏である。大変興味深い相場の軌跡である。

さて、短期的な相場展開を左右する重要イベントが続く。毎月前半は、雇用統計と、消費者物価のダブルシグナルがあるので息を抜けないが、その前に今日は下院金融サービス委員会で、明日7日は上院銀行委員会でパウエルFRB議長の議会証言がある。これは、以前はハンフリーホーキンス法証言と言われていたが、法律で義務付けられている半期に一度の金融政策に対する議会証言である。パウエル議長の総括報告の後、同委員会の委員一人一人との質疑応答があり、これがなかなか面白い。多分「利下げは急がない」とのトーンになると予想しているが、どのような表現となるか、市場関係者は聞き耳を立て、固唾を呑んで見守るに違いない。毎年、ライブ中継(C-Span等)がある。筆者は今年も聴取する予定だ。

さて、今後1週間の相場予想だが、ドル円は148.80-151.00円と若干ドル弱含みと予想する。ユーロドルは1.0750-1.0950とユーロ強含み、対円では161.50-164.00円と先週と同じと予想。そして英ポンドドルは1.2580-1.2830とポンド高を予想する。

(2024/3/6、 小池正一郎)

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・SBI新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引、証券取引、および暗号資産CFD取引(暗号資産関連店頭デリバティブ取引)に関するご注意


【パートナーズFXおよびパートナーズFXnano】
パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの建玉必要証拠金金額は原則、一般社団法人金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第31項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。但し、一般社団法人金融先物取引業協会が為替リスク想定比率を算出していない通貨ペアにつきましては、一般社団法人金融先物取引業協会と同様の算出方法にて当社が算出した為替リスク想定比率を使用しております。取引手数料は無料です。なお、外貨両替については1通貨あたり0.20円、受渡取引については1通貨あたり0.10円の手数料をいただきます。

【CFD-Metals】
CFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。

【証券】
国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.75%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,750円(消費税込み)をいただきます。有価証券のお預りが無く、一定期間証券口座のご利用が無い場合等は、別紙 ①「手数料等のご案内」に記載の 証券口座維持管理手数料1,100円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

【暗号資産CFD】
暗号資産は法定通貨(本邦通貨又は外国通貨)ではなく、特定の者によりその価値を保証されているものではありません。暗号資産は、代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り代価の弁済に使用することができます。暗号資産CFDは、取引時の価格の変動により、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。暗号資産CFDの取引に必要な証拠金は、取引の額の50%以上の額で、証拠金の約2倍までの取引が可能です。取引にあたり、営業日をまたいで建玉を保有した場合にはレバレッジ手数料が発生します。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会 一般社団法人日本暗号資産等取引業協会

このページの先頭へ

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > 為替大観 > 第568回 ~パウエル議長議会証言に注目~