FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > 為替大観 > 第597回 ~ドル円10月三つのシナリオ~
為替大観

最新の記事

第597回 ~ドル円10月三つのシナリオ~

2024年10月09日

次は150円だ。その勢いがだんだんと濃くなっているというのが市場の空気として伝わってきている。前回150円が取引されたのは8月1日、もう2か月あまり前のことであるが、いよいよその日が近づいているのかもしれない(筆者は異なる見方であるが…)。現在の市場の空気は「0.50%利下げ後不透明になったパウエル議長と、石破首相に会って時間的余裕を材料にした植田総裁の本音探り」である。今後の見通しはこのダブル効果の賞味期限と、あらたな材料の出現見通しである。そこで、今回は、ドル円10月の三つのシナリオを考えてみたい。

まずチャートでドル円の現在位置を確認する。今年最高値の161.95円(7月3日)から今日までの値動きを見れば、7月11日の161.76円からドル円はつるべ落とし、何回もパニック売りが続き、8月5日に141,67円の安値を付けた。1か月で20円あまりの下落、しかも最後の4営業日で12円あまり下落する大相場であった。そこまでが下落第一段階。

そして一旦149.40円(8月15日)まで上昇するも、そこからドル売り第2弾が始まり、9月16日の139.58円までドルは下落した。ここまでが下落第2段階。しかしこれが当面の二番底。その水準から今は緩やかな回復局面で推移、10月6日に149.13円まで上昇したが、8月15日の相場が意識されて反落、現在は再度の150円超えを狙う展開になっている。明日に迫った米国消費者物価がそのきっかけになるかもしれない。

さて筆者のメインシナリオ(確率60%)は、上記の市場の空気とは違うが、「米国の物価は継続的に低下、FRBの目標2%に近づいている。政策金利の引き下げは粛々と実行されるだろう。一瞬150円超えはあるかもしれないが、今後の個人消費や住宅関連指標の低下を材料に徐々にドルは下落、140円割れの流れも出てくる」。合わせて円サイドでも、円上昇の材料が出てくる。「日銀としても、政府の意向にとらわれて、日銀の独立性が失われるようなことがあってはならない」という声も出てくるはずだ。10月末までのレンジは、先週より円安気味に修正し、139-149円(月末141円)とする。

そしてサブシナリオ(確率30%)は、市場の空気に沿ったものだが、「米国の景気は持ち直し、金利は上昇(現在その状態)。日銀の利上げ可能性は後退、ドルは150円を回復する」というものだ。そしてリスクシナリオ(確率10%)は「中東情勢緊迫化で、原油価格の上昇の影響よりも地政学的な優位性を背景に、有事の円買いで一気に140円割れとなる」だ。

さて、明日10日に発表される重要な消費者物価の市場予想は以下のとおりである。
      前月比          前年比
  総合  +0.1% (前月 +0.2%)    +2.3% (前月+2.5%)
  コア  +0.2% (前月 +0.3%)    +3,2% (前月+3.2%)
これまでは、予想通りでも総合年率(前年比)の低下が主要因となり、ドル売りが起こった。今回も「材料出尽くし」よりも「実績確認」が優位になる可能性があることに留意していきたい。

ところで、ニュージーランド中銀は、今日政策金利を0.50%引き下げ、4.75%にした。前回(8月14日。0,25%引き下げ)に続いての利下げである。これで主要国ではもっとも高い国は英国(5.00%)になった。

さて、今後1週間の相場見通しであるが、ドル円は、146.80-149.80円とドル高基調と予想する。一方欧州通貨は、先々週はユーロは1.1214と2023年7月以来、ポンドは1.3434と2022年3月以来の高値を付けたが、その後、値を崩して予想通り1.1000割れとなった。今週もユーロは10月17日理事会での再度利下げ予想が高まると考え、その流れが続くと見て、対ドルは1.0850-1.1050と予想、また対円ではドル円上昇を受けて159.00-163.50円と先週よりもユーロ高を予想する。そして英ポンドドルは、今週は1.2950-1.3200と小幅ポンド安と予想する。

(2024/10/9、 小池正一郎)

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・SBI新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引、証券取引、および暗号資産CFD取引(暗号資産関連店頭デリバティブ取引)に関するご注意


【パートナーズFXおよびパートナーズFXnano】
パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの建玉必要証拠金金額は原則、一般社団法人金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第31項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。但し、一般社団法人金融先物取引業協会が為替リスク想定比率を算出していない通貨ペアにつきましては、一般社団法人金融先物取引業協会と同様の算出方法にて当社が算出した為替リスク想定比率を使用しております。取引手数料は無料です。なお、外貨両替については1通貨あたり0.20円、受渡取引については1通貨あたり0.10円の手数料をいただきます。

【CFD-Metals】
CFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。

【証券】
国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.75%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,750円(消費税込み)をいただきます。有価証券のお預りが無く、一定期間証券口座のご利用が無い場合等は、別紙 ①「手数料等のご案内」に記載の 証券口座維持管理手数料1,100円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

【暗号資産CFD】
暗号資産は法定通貨(本邦通貨又は外国通貨)ではなく、特定の者によりその価値を保証されているものではありません。暗号資産は、代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り代価の弁済に使用することができます。暗号資産CFDは、取引時の価格の変動により、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。暗号資産CFDの取引に必要な証拠金は、取引の額の50%以上の額で、証拠金の約2倍までの取引が可能です。取引にあたり、営業日をまたいで建玉を保有した場合にはレバレッジ手数料が発生します。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会 一般社団法人日本暗号資産取引業協会

このページの先頭へ

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > 為替大観 > 第597回 ~ドル円10月三つのシナリオ~