“強め”の「米CPI」を機に、マーケットのニュアンスは一変しました。
堅調な米雇用統計を経て台頭した「米利下げ後ズレ」への思惑はさらに増幅し、“年初来高値更新&153円回復”を示現しています。
一方で「中東情勢緊迫化」から、先週末には“利益確定売り”が先行する場面も見られました。
『イラン、イスラエルを48時間以内に攻撃』との報が掛け巡ったからですが、ただ“152.591円”にて下値を確認すると、すぐさま“153円台”に押し戻されるに至っています。
こうして「円買い介入」への思惑は根強いものの、先週末には“1990年6月以来の高値(153.377円)”へと駆け上がり、週明けの本日はさらに上値を伸ばすに至っています。
引き続き「円買い介入」への思惑が上値を押さえるとは見られますが、「口先介入」こそ相次ぐものの、まだ「実弾介入」には至っていないのが実状といえます。
「米利下げ後ズレ」が強まる中、「日銀追加利上げ」は依然として不透明であり、「日米金利差」は高水準で維持されると見られるからです。
つまり“投機的”ではあるものの、“ファンダメンタルズに沿った”動きともいえる中、“過度な変動”ともいい難い状況では、「口実がない(無理がある)」というのが実状といえるからです。
さらに“介入しづらい”と見られた「岸田首相訪米」はすでに終えたものの、今度は「G20財務相:中央銀行総裁会議(17-18日)」を控えているとあっては…?
いずれにしても「米利下げ後ズレ」が緩み、あるいは「日銀追加利上げ」が意識されない限り、現状の流れを押しとどめるのは「円買い介入」しか術がないのが実状といえます。
ただ実際に踏み込めるかは“微妙”とあっては…?
いずれにしても「介入催促相場」は続くと見るのが自然です。
そして“投機的”は事実も、“ファンダメンタルズに沿った”が覆しづらい以上、“過度な変動”といえる状況にならない限り、「実弾介入」は難しいと考えたいところです。
もっとも“おっかなびっくり”とした動きにならざるを得ず、また今週は「主だった米インフレ指標」も予定されていませんの、“緩やか”な動意を想定するのが妥当といえますが…。
《12:05》
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