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第394回 ~トランプ指名のFRB理事候補は金本位制主義者~

2020年07月29日

ドル安が進行中だ。EU首脳会議で難産とはいえ復興基金という形を成したことで、EU見直しによるユーロが急伸したことも大きいが、それ以上に米中関係が急速に冷え込み、米中冷戦時代の再燃が強く意識されたことが決定的な要因となった。投機筋は新たなターゲット設定を行ったようだ。このままドル円は100円まで進むか? 

執筆時(17:00)ドル円は104.80円と4か月半ぶりの安値まで売られてきた。最近、ドル円は欧州市場が始まると売られる傾向がある。東京、アジア市場の流れを引き継ぎ、かつ方向感の強さを試す仕掛けの動きが、このような傾向を生むのだろうが、その動きを抑える動きが見えない。いわゆる買い手が少ないといえる。

そこで、短時間の値動き(筆者は10分刻み)でみると、陰線と陽線が交互に出る傾向がある。まず売りから入り、利食いで買いという回転売買が出ていることが容易に想定できる。この取引に応用できる見方が、何度も本欄で紹介している「2・8理論」だ。今も104円80銭でぴたりとドル下げが止まった。80銭、20銭という節目で、動きが止まることが多いことは経験的にわかっているが、一方で長い時間で値動きを見る方法もある。それぞれ得意技を持っていることと思うが、これが筆者の好きな虫の目ディールの方法だ。

さて、ドル円以外では、ユーロは1.1760と約1年10か月振りの高値、英ポンドもユーロほどでもないが、約4か月の高値、1.2970台まで上昇している。結果としてドルインデックスは約2年ぶりの安値となる93台全般まで下落している。その反面、金相場は史上最高値を更新中、2,000ドル(1オンス)超えが完全に視界に入ってきた。

話戻って、現在の相場見通しは、ドルの下落はそう簡単には止まらない、というのが筆者の見方だ。投資する(買う)目的になる高い所(信用性、成長性、実質金利)が、米国に優位性がないからである。唯一、高い流動性という圧倒的な力はあるが、それも過去にみたこともないほどのキャッシュのバラマキで、ドル紙幣が世界中にあふれており、いわゆる株増資による希薄化と同じ現象=すなわち価格低下を起こしている。

このような状態で、今FOMCが開催されている。ドル価格上昇には、ドル安を起こしている政策を転換させる必要があるが、前回のドットチャートで明らかになったように、誘導金利(現在 0.00-0.25%)を挙げることは到底考えられない。また、緊急資金供給プログラムも始まったばかりで、余裕枠はたっぷりである。その上、これら期限もこれまで設定されていた9月末から12月末まで3か月間の延長を発表。資金需要の弱さが改めて認識され、金利を引き上げる環境では全くないことがわかる。

今回は、経済見通しなどの発表のない会合であり、政策的には現状維持となろうが、その分、会合後のパウエル議長に記者会見が大きく注目されている。米国の有力紙にも、「次の一手を検討中」という記事が増えてきた。前回あたりから話題になったイールドカーブ・コントロール(YCC)の導入や目標インフレ率(現在2%)の変更、また、長期にわたる中央銀行の役割の見直しなど、興味深い示唆が出てくる可能性はある。

加えて、金本位制に対する議論も進行するかもしれない。なぜなら、トランプ大統領が指名(昨年7月3日)した残り2名のFRB理事が先週7/21に、上院銀行委員会で承認されたからである。2名のうち、前・世銀理事シェルトン女史(Ms. Judy Shelton)が、微差(13対12)ではあるが承認された。彼女は金本位制推奨者である。残りの一人は、セントルイス連銀調査部長のウォルター氏(Mr. Christopher Walter)で、票決は18対7であった。今後上院本会議で過半数を得れば決定する。承認は簡単ではないかもしれないが、今後大いに注目される人事である。

それに30日には、米国第2四半期のGDPが発表される。これも注目材料だ。終わった期の統計であるが、その予想数値は、コンセンサスは、マイナス35%、先行指標として注目されるアトランタ連銀のGDP Nowは、マイナス34.3%(7/24)だ。数字が大きい分、振れ幅が大きくなる可能性もある、為替相場への影響も考えられる。

さて、今後1週間、ドル円は104.50~106.50円と予想。またユーロは、対ドルでは1.1600~1.1800、対円では変わらずで122.50~124.50円と予想、また英ポンド/ドルでは1.2700-1.3000と予想している。

(2020/7/29, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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