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第647回 なおも「ドル1強」の流れが続きやすい…

2018年11月12日

 先週6日に行われた米中間選挙の結果は既知のとおり。米議会は上下両院に“ねじれ”が生じることとなり、今後の政策運営はとかく停滞しがちになるとされている。
 こうした結果を得て、ほっと胸を撫で下ろしたのは筆者だけではなかろう。仮に、米上下両院の双方で共和党が多数派となっていたら、目先は市場がそれを好感した可能性もないではないが、いずれは米財政事情の一段の悪化に対する懸念が台頭し、米株価やドルに強い下押し圧力がかかることとなりかねない。もちろん、米上下両院の双方で民主党が多数派となっていたら、それは相当にネガティブなサプライズとなったであろう。
 しかし、結果は事前の市場予想通りとなり、今後は「トランプ米大統領がこれまでのように好き勝手できなくなる」ということ自体に、筆者をはじめ少なからぬ市場関係者は正直ホッとしているのではないか。そもそも大方の予想通りだったのであるから、結果が出た時点で市場はそのかなりの部分をとうに織り込んでいる。もちろん、ビッグ・イベントを無事通過したことで、それ以前にあった先行き不透明感は大きく後退、その後の市場のムードはリスクオンに傾きやすい。
先週8日付の日本経済新聞(夕刊)『ウォール街ラウンドアップ』の欄では「停滞こそが株価を押し上げているという解説も聞かれた」。どうやら“ねじれ議会”になると「何もなされないし、何も中止されない」ので、それが安心ということらしい。些か残念な話ではある。少なくとも、追加の財政措置が講じられにくくなったことで、無用に“悪い金利上昇”が生じることや結果的に株価が大きく下押すなどといったことに対する懸念は後退している。もともと米景気は強い拡大基調を辿っており、追加の財政措置など講じなくともより自然な形で“良い金利上昇”を生じさせる流れにある。

 そんななか、足下のドル/円は一時的にも114円台に乗せる場面を垣間見る展開となってきており、下値については一目均衡表の日足「雲」のサポートが強く感じられる状況となっている。また、じきに日足の「遅行線」は日々線を上抜ける格好となる。ちなみに、足下の移動平均線は上から21日線、89日線、200日線が順に並んでいるうえ、すべてが上向きで推移している。よって、基本は強気の流れということになるが、21日線からの上方かい離が2%のレベルに接近するような場面では、目先の調整リスクが高まりやすくなる可能性には少々注意を要すると言えよう。
 当座の上値の目安は当然、直近(10月4日)高値=114.55円ということになるだろうが、既知のとおり、114円台半ばから後半の水準というのは、昨年5月以降に幾度も上値を押さえられているところであり、やはり今回も上値抵抗として意識されやしないかどうか見定めたいところとなる。仮に、同水準を上抜けていよいよ115円台に乗せてくる展開となれば、一つに2016年12月高値から今年3月安値までの下げに対する76.4%戻し=115.36円あたりが次の上値の目安になると見られる。
もちろん、市場は少し長い目で11月末に予定される米中首脳会談への関心を強めて行くものと思われる。なおも市場の見方は大きく分かれるが、筆者は個人的に今回の首脳会談で米中貿易の今後の方向性について一定の落とし処が見出されるものと見ている。どんなチキンレースにも終わりはあるし、どんな“戦争”にも最終的には“講和”がある。あとは両国首脳の互いのメンツの問題であろう。むろん、その点で両者の納得が得られなければ、なおも関係がこじれ続ける可能性もないではないが。

 一方で、依然としてユーロ/ドルは今年8月安値=が位置する1.1300ドルの節目を下抜けるかどうかの瀬戸際にある。なおも、ムードとしては「ドル1強」の状態が続きやすいと考えられ、このまま年末に近づくほどドルの需給がタイトになれば、ドル/円の上値の余地も一段と拡がってくる可能性があろう。
(11月12日 08:55)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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