FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > 為替大観 > 第585回 ~パウエル議長の魔法の言葉~
為替大観

最新の記事

第585回 ~パウエル議長の魔法の言葉~

2024年07月10日

昨晩(日本時間で7月9日23:00~)のパウエルFRB議長・議会証言のライブ中継を聞いた。年に二回法律に則って行われる金融政策報告で、昨日9日は上院の銀行委員会(U.S.Senate Committee on Banking, Housing, and Urban Affairs)で開催され、本日10日は下院金融サービス委員会(U.S.House Financial Services Committee)の公聴会で行われる。

世界中の市場関係者が注目していたが、結論から言えば「利下げ時期については中立(今後のデータ次第)」とこれまでのトーンと変わりなかったが、判断根拠については、「リスクについてはインフレだけでなく、雇用について比重を上げている」と一段と突っ込んだ発言を行った。ただ、その結果として利下げは急がないとの見方が若干増え、米国10年債は小幅上昇(7/9終値ベース4.298%←4.280%)、ドル円も161.52円まで上昇、161.33円で引けた(7/8引け160.86円)。

今回の議会証言について、事前に配布されたステートメントやパウエル議長の発言を振り返り、FRBの姿勢の変化を読み取ってみたい。「総括すれば、データ重視で会合毎に政策を決める、とこれまでの発言を繰り返したに過ぎない」となるが、一貫して感じることは、パウエル議長は、マーケットが何を望んでいるかを熟知したうえで、実に細やかなメッセージを送ったのではないだろうか。結果として、利下げが思っていた時期より前倒しとなる7月利下げの確率が低下し、9月利下げの可能性が高まってきたと受け取られた。

そこで、シカゴ先物市場で金融政策変更の確率を計算するフェッドウォッチを見ると、今日(7月10日NYタイム3:30)現在、7月の現状維持が1週間の91.7%から95.3%に上昇、一方で9月(18日)は、0.25%の利下げ確率が1週間前の68.4%から70%に上昇していた。大きな違いはないが、市場に見方として9月利下げにシフトしてきたことが分かる。

ところで、パウエル議長の発言に「今後の行動について、いかなるシグナルを送るつもりがない」という言葉があったが、心のうちを読むと「マーケットの皆さん、利下げのタイミングがいつになるか、聞きたいでしょう」。「でも私は言わないよ!」ではないだろうか。そんな決意が聞こえてくるような茶目っ気ぶりも感じた。

また印象的な言葉として、ステートメントにもあるが、避けなければならないこととして「too soon or too much」と「too late or too little」が入る文章/発言があった。これは利下げについて、「拙速でもやりすぎでも」良くないし、「遅くに失することや少なすぎること」もリスクがあるとの説明である。この文脈からは、「利下げは9月から始め、一気にでなく、徐々に(例えば1か月おきに)行っていく」可能性を示唆しているとも読める。全体的には、切れ味鋭く、とはいかないまでも、ひとまず急を要することでなく、データ結果を積み重ねながら、会合毎に決めていく姿勢は維持されていると個人的には結論付けた。

さて、そこで最初のデータが明日11日の消費者物価(CPI)があり、12日には生産者物価(PPI)がある。CPIの市場予想は下記のとおりである(カッコは前月実績)。
    予想  (前月)
総合  前月比:+0.1%(±0.0%)
    前年比:+3.1%(+3.3%)
コア  前月比:+0.3%(+0.2%)
    前年比:+3.4%(+3.4%)

前月比では上昇するが、年率では総合では低下、コアは前月と変わらず、との予想だ。
特に、コアの住宅関連価格の変化が注目される。

さて、今後1週間の相場見通しであるが、ドル円は160円台が定着していくと考え、159.80-162.80円と予想する。またユーロドルは、仏選挙の決選投票を受けて不安定さを嫌う動きもあるが、マクロン大統領がリーダーシップを発揮すると予想し1.0700-1.0950とユーロ高を予想し、対円でも173.50-176.50円と引き続きユーロ高円安と予想する。そして英ポンドドルは首相交代となったが、スターマー新首相の手腕を期待し1.2700-1.2950とポンド高を予想する。

(2024/7/10、 小池正一郎)

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・SBI新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引、証券取引、および暗号資産CFD取引(暗号資産関連店頭デリバティブ取引)に関するご注意


【パートナーズFXおよびパートナーズFXnano】
パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの建玉必要証拠金金額は原則、一般社団法人金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第31項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。但し、一般社団法人金融先物取引業協会が為替リスク想定比率を算出していない通貨ペアにつきましては、一般社団法人金融先物取引業協会と同様の算出方法にて当社が算出した為替リスク想定比率を使用しております。取引手数料は無料です。なお、外貨両替については1通貨あたり0.20円、受渡取引については1通貨あたり0.10円の手数料をいただきます。

【CFD-Metals】
CFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。

【証券】
国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.75%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,750円(消費税込み)をいただきます。有価証券のお預りが無く、一定期間証券口座のご利用が無い場合等は、別紙 ①「手数料等のご案内」に記載の 証券口座維持管理手数料1,100円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

【暗号資産CFD】
暗号資産は法定通貨(本邦通貨又は外国通貨)ではなく、特定の者によりその価値を保証されているものではありません。暗号資産は、代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り代価の弁済に使用することができます。暗号資産CFDは、取引時の価格の変動により、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。暗号資産CFDの取引に必要な証拠金は、取引の額の50%以上の額で、証拠金の約2倍までの取引が可能です。取引にあたり、営業日をまたいで建玉を保有した場合にはレバレッジ手数料が発生します。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会 一般社団法人日本暗号資産取引業協会

このページの先頭へ

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > 為替大観 > 第585回 ~パウエル議長の魔法の言葉~