上値メドと見られた“155円”を突破しても、「円買い介入」は入りませんでした。
このため「介入催促相場」が前面に押し出される中、注目された「日銀会合」は“ほぼゼロ回答”でした。
特に「植田日銀総裁会見」に至っては、『基調的な物価上昇に無視できない影響あれば政策変更を判断』とはされたものの、『いまのところ基調的な物価上昇に大きな影響はない』とされました。
このため“円売り”が加速する格好となり、週末に“158円台(高値は158.428円)”に達すると、週初29日には“90年4月以来水準(同160.197円)”へと駆け上がっています。
ところがここからマーケットは、極めて“不安定”な展開となりました。
「円買い介入か?」と思われる“円買い圧力”が不意に入ると、あれよあれよという間に“155円割れ(安値は154.531円)”へと押し下げられたからです。
その後は“156円後半”へと押し戻されるなど、まだ“上値模索”少なくとも“下値の堅さ”は継続している状況ですが、とりあえず介入催促相場は“一服”した格好といえます。
神田財務官は『(介入に関して)ノーコメント』を貫いていますので、現時点で実施されたかは不明といわざるを得ません。
また「外国為替平衡操作の実施状況(いわゆる介入実績)」が本日は公表されますが、“25日分まで”ということを踏まえれば“5月末”を待つしかないのが実状といえます。
「日銀当座預金残高見通し」を見れば“凡そ”の見当はつきますが、それでも「介入を実施した」と当局が発言しない限り、「5月末まで薮の中」といわざるを得ない…?
そうなるとマーケットとしては“疑心暗鬼”にならざるを得ず、仮に「介入催促相場」が続くとしても“円売り”が緩む可能性は否めない…?
ただし“ドル買い”基調は継続する中、今週は主だった米イベントが目白押しというスケジュール感になります。
特に「FOMC」では“据え置き”が想定されていますが、足元の米要人発言が“タカ派寄り”に偏っていることを踏まえれば、「米利下げ時期後ズレ」が改めて示唆される可能性は否めません。
そうなると短期金融市場で見た「米9月利下げ」が“まだ60%”を織り込んだままということを踏まえると…?
“円売り”は一服した印象が強く、“過度な上値模索”は抑制されるとは見ますが、“ドル買い→上値模索”といった展開には十分に注意しておきたいところです。
もちろんあくまで“結果次第”ということになりますが…。
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