『政策判断に時間的な余裕有』との植田日銀総裁発言もあり、週を通して“リスク選好→円売り”が先行しました。
特に「中国景気刺激策」を好感する動きが後を押した印象は強く、ドル円は緩やかに上値を伸ばしました。
ダメを押したのがいわゆる「高市トレード(日銀利上げに否定的→円売り)」であり、週末27日には“146.489円”へと上値を伸ばすに至っています。
あぁそれなのに…。
ご承知のように「石破新総裁誕生」となったことで、その後は“巻き戻し”が加速しています。
さらにFRBが注目する「PCEコア・デフレータ」が“インフレの落ち着き”を示したことで、「米ソフトランディング期待」も増幅されました。
こうして米10年債利回りは“低下(3.80%→3.73%)”する中、ドル円は“142.074円”へと押し下げられて先週の取引を終えています。
直近安値(16日)が“139.581円”ですので、その後の上昇幅の61.8%はすでに吐き出した格好となります。
また先週初(23日)始値が“143.836円”でしたので、週足ローソク足でも“陰線”を描くなど、テクニカル的には“芳しいとはいいがたい”というのが実状といえます。
ただ先週末の動きは、あくまで“巻き戻し”と見るのが自然な状況となります。
つまり「高市トレード(円売り)」は崩壊したものの、「石破トレード(緊縮財政+金融所得課税→円買い)」に発展するかは定かではありません。
少なくとも見極めるためには“時間がかかる”と見るのが妥当であり、29日のTV番組では『金融緩和の方向性は維持しなければならない』とも発言しています。
さらに今週は「期替わり」に加え、「主要な米経済指標」が目白押しというスケジュール感であることを踏まえれば…?
テクニカル的に見ると、冒頭で記した“146.489円(27日高値)”が当面の高値となりやすく、“上値の重さ”は如何ともしがたいものがあります。
ただそれで“崩れる”かはまた別であり、少なくともテーマは「米利下げの行方」に移行すると見るのが自然ということになります。
そうなると目先は“様子見”に軸足を傾けざるを得ず、米経済指標の結果に“一喜一憂”と見るのが妥当と考えますが…?
《12:40》
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