「米利下げ観測後退」「ウクライナ情勢緊迫化」に翻弄された前週でしたが、先週も様々な要因にて“急変動”を強いられました。
まず週初は『トランプ次期大統領、財務長官にベッセント氏起用』をキッカケにして、“過度な財政悪化回避→米10年債利回り低下→ドル売り”が先行しました。
次いで『メキシコ・カナダに25%、中国に追加10%の関税を賦課』を背景に、“リスク回避→円買い”も目立っています。
「米感謝祭前のポジション調整」も重なったこともあり、週央27日には“150.460円”へと急落しています。
その後は“ポジション調整の一巡→円売り/ドル買い”にて幾分盛り返したものの、流動性が極端に低下する週末に“さらなる材料”が飛び込みました。
『(データが想定通りという意味で)利上げ時期は近づいている』
『一段の円安はリスクが大きい』
この「植田総裁のインタビュー記事」は、「日銀12月利上げ」を織り込むには十分な内容でした。
この影響で再び“下値模索”となると、先月18日以来となる“150円割れ”で先週末の取引を終えています。
このインタビュー記事は、マーケットの反応を確かめるいわゆる“観測気球”と見られますが、大方の予想通り、マーケットは“円買い”で反応しました。
そうなると仮に「利上げ見送り」ともなれば“円失望売り”は必至と見られるだけに、「日銀12月利上げ」は“既定路線に乗った”と見るのが妥当といえます。
ただその前に進行していた“ドル売り”は「米感謝祭前のポジション調整」が大部分、その他も「トランプトレードの巻き戻し」であり、まだ「米12月利下げ」が完全に“既定路線に乗った”というわけではない…?
短期金融市場を見ると、「米12月利下げ」は“概ね60%”の確率を織り込んでいます。
ただ今週は「主だった米経済指標」が目白押しという状況下、週末には「米雇用統計」も予定されています。
このため「米12月利下げ」をここからさらに織り込むには、これらを“確認する”という作業が必要と見るのが自然です。
逆に“見極めたい”との思惑が漂いやすい中、内容次第では“巻き戻し”が発生する可能性もゼロではありません。
そうなると「日銀12月利上げ」が上値を押さえても、目先に関しては“ドル買い戻し”が発生する可能性は十分…。
先週・先々週のように、またぞろ「トランプトレード」に振り回されかねないのは事実としてあります。
このため決め打ちはできませんが、現時点では“巻き戻し”先行、ただ後は“内容次第”となる中、最終的には“上値を押さえる要因”が控えていると見たいところです。
《12:55》
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