用語集
この用語集は、外国為替取引を行う投資家の方のために、経済用語、為替用語を約1000語収録しています。ニュースやコラム等で、意味のわからない経済用語・為替用語がありましたらご利用ください。
ま行
マーク・トゥ・マーケット(Mark to Market)
持っている資産を、実際の市場レート(Market Rate)で計算して現在価値に引きなおすこと。
マーケット・リスク(Market risk)
市場リスク。市場価格(金利・株価・為替など)の下落によって、保有資産に損失が生じる可能性(不確実性)のこと。
マーシャルのK(Marshallian k)
一国の経済活動表すGDP(国内総生産)にとって、マネーサプライ(通貨供給量)が適正水準にあるかどうかを判断するための指標。イギリスの経済学者であるアルフレッド・マーシャル(AlfredMarshall)によって考案。GDPを1としたときに、マネーサプライが何倍であるかを表す。したがって、マーシャルのKの値が大きいほど、世の中に多くのお金が出回っていることを示す。
マーシャル・ラーナー条件
通貨安によって貿易収支が改善するためには、輸入と輸出の価格弾性値の合計が1よりも大きくなければならないという条件。価格弾力性とは、価格が1%上がったときに売れ行きが何%悪くなるのかを表す指標。価格弾力性が低い(=マーシャル・ラーナー条件を満たしていない)と、為替レートの調整を行っても貿易収支の改善は期待できない。
マージン(Margin)
販売手数料、利ざやのこと。外国為替取引では証拠金のこと。取引をする際に支払う現金。
マーストリヒト条約
欧州連合(EU)創設のための条約で、通貨統合の計画や、通貨統合参加に対する国内経済の一定基準が定められ、1991年12月合意、1993年11月発効。欧州連合条約とも言う。
マイン(Mine)
ディーラーが、買うときに相手方に伝える言葉。「買った」。売るときに言う言葉は「ユアーズ(Yours)」。
マクロ経済
経済を捉える際に、一国の経済全体をみるもの。経済の三態(政府・企業・家計)を総体としてみる。GDP成長率などの経済成長率や、消費者物価指数などの物価指数など、経済指標等で、経済を数値的に捉える。
マサチューセッツ・アベニュー・モデル(Massachusetts avenue model)
ポール・クルーグマンが、マンデル・フレミング・モデルに、市場での期待が現実に外国為替相場などに影響を与えるという考え方を加えたもの。このモデルを支持する主だった経済学者が、ケンブリッジのマサチューセッツ通り(ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学)か、ワシントンのマサチューセッツ通り(ブルッキングス研究所、国際経済研究所)で活躍していることから名付けられた。
マネーサプライ(Money supply)
通貨供給量。世の中に出まわっているお金の流通量のこと。世の中のお金の量であるマネーサプライは、経済活動の大きさに応じて伸び縮みする。取引されるモノやサービスに対して、お金の量が増えすぎると物価が急激に上がる現象(インフレ)を引き起こし、逆に、お金の量が減りすぎると、モノが余ってしまって物価が下がる現象(デフレ)に陥る。日本銀行はマネーサプライ統計を見直し
マネー・マーケット(Money market)
短期金融市場。期間1年未満の金融取引が行われる市場。金融機関や一般の事業法人が資金を調達する場で、日本銀行が公開市場操作などを行って金融を調節する場にもなる。
マネー・ロンダリング(Money laundering)
犯罪や不正取引などで得た資金を正当な事業活動で得た資金のように見せかける行為。資金洗浄。麻薬、脱税、汚職、証券詐欺、粉飾決算などの犯罪や不正行為から得た資金を多数の銀行の口座を転々と移動させたりすることで、資金の出所や受益者を分からなくしようとすること。日本においては2003年1月「金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律」(本人確認法)が施行され、金融機関等による顧客等の本人確認、本人確認記録・取引記録の作成・保存が義務づけられた。(2008年3月より犯罪収益移転防止法が施行された)
マネタリーサーベイ(Monetary survey)
IMFが採用している国際基準に基づき、日本銀行と預金通貨銀行(国内銀行、外国銀行在日支店、信用金庫、農林中央金庫、商工組合中央金庫、信金中央金庫)の諸勘定を統合・調整したバランスシート(貸借対照表)。資産では主として経済部門(信用供与先)別貸出し,有価証券等資金形態別内訳を,負債では主として現金通貨,預金通貨,準通貨(定期性預金)などの流動性別内訳を示している。
マネタリー・ベース(Monetary base)
日本銀行が供給する通貨のこと。ベースマネー。現金通貨(日銀券、補助貨幣)と、民間金融機関の法定準備預金(日銀当座預金)の合計。この通貨が大きな預金通貨を生み出す強い力を持っているという意味で、ハイパワードマネー(強権貨幣)と呼ぶ場合がある。
マネタリスト(Monetarist)
経済現象の要因として貨幣を重視、財政政策ではなく金融政策によって経済を運営していくことを主張するグループ・学派。ミルトン・フリードマンらシカゴ大学の経済学者が中心で、シカゴ学派とも言われる。
マネタリズム(Monetarism)
マクロ経済政策においては、貨幣供給量が総需要を変化させる最も重要な要因であり、通貨政策が最重要だとする考え方。シカゴ大学のミルトン・フリードマン名誉教授が1956年に提唱。
マラケシュ協定
1994年の世界貿易機関(WTO)を設立する協定。WTO協定をマラケシュ協定と呼ぶこともある。ガットにおいてウルグァイ・ラウンドが1986年に開始、8年にも及ぶ交渉の末、1994年4月、モロッコのマラケシュで最終文書として署名され、終結。1995年1月1日WTOが発足。交渉の結果約束された、各国の鉱工業品・農林水産品の関税率等を記載したものがマラケシュ議定書。
マレーシア・リンギ
MYR、マレーシア・リンギット、リンギ。マレーシアの通貨。1986年以降マハティール政権下において、外貨の積極的な導入による輸出指向型工業化政策を推進し高度成長を達成。1997年に通貨・金融危機による経済困難に直面したが、IMFの支援を仰がずに独自の経済政策を推進。アジア通貨危機を乗り切る通貨管理政策の一環で、1998年9月に為替管理措置を導入し固定相場制へ移行したが、2005年7月には通貨バスケット制による管理変動相場制に移行。
マンデル・フレミングの法則
財政赤字が拡大すると実質長期金利が上昇し、設備投資や住宅投資が減少する(クラウディング・アウト効果)。また、実質長期金利が上昇すると国内への資本流入圧力が生じて自国通貨が増価し、輸出が減少して輸入が増加するためGDPが減少する。よって、変動相場制のもとで景気回復や雇用を増やすには、財政政策よりも金融政策が効果的だという理論。ロバート・A・マンデルとJ・マルコス・フレミングが1963年に発表、1999年にノーベル経済学賞受賞。
ミクロ経済
経済を捉える際に、経済の基本単位である、企業や家計など個別の主体をみるもの。
ミューチュアル・ファンド(mutual fund)
米国で最も一般的な投資信託。複数の投資家が資金を提供し共同で運用をするオープンエンド型(いつでも購入・解約可)のもの。資金の追加や純資産価値による換金を認め、株式の入れ替えも認める、自由運用型投資信託。
民事再生法
法人の再建を目的とする倒産法。2000年4月に施行。経営不振企業の再建をしやすくしたことが特徴。それまでの旧和議法や会社更正法と比べ、会社の再建計画が認められるまで期間を大幅に短縮できる。
ムーディーズ(Moody's Investors Service)
ムーディーズ・インベスターズ・サービス。アメリカ民間の有力格付け機関。スタンダード&プアーズと並ぶ世界的な2大格付け機関。ジョン・ムーディーによって1900年に設立された最も歴史のある格付け会社。1909年にムーディーが最初の債券格付けでアルファベットの記号を利用した格付けを導入、この表記法が信用評価の国際的なシンボルとなっている。1930年代の大恐慌の際、債券の全発行残高の約3分の1が債務不履行(デフォルト)となったが、格付けが高い債券ほどデフォルト発生率が低かったため、格付けは投資情報としての価値を高め、投資家の間で定着するようになった。
無担保コール
コール取引の内、担保を必要としない取引。短資会社が、オファー・ビッド方式における、資金の出し手と取り手の出合いを仲介する。資金の取り手(借りる側)に対するリスクは、資金の出し手(貸す側)が負う。
名目金利(Nominal Interest Rate)
物価上昇率などを加味しない表面上の金利。
名目GDP
その年に生産された財について、それぞれ生産数量に市場価格をかけて、生産されたものの価値を算出し、それを全て合計することで求める。財の値段が一気に2倍になったとき、名目GDPは単純に2倍になる。しかし経済の規模が2倍になったとはいいきれない。その際、物価変動の影響を除いた実質GDPのほうが経済の実状を知る上で重視されている。
メイン市場
名古屋証券取引所の市場区分の一つであり、安定した経営基盤が確立され、一定の事業実績に基づく市場評価を有し、個人投資家をはじめとする多くの投資家の継続的な保有対象となりうる企業向けの市場。
メガバンク
巨大な資産や収益規模を持つ銀行とそのグループ。国際金融競争に打ち勝つため、日本でも大手都市銀行同士の合併やグループ化により相次いでメガバンクが誕生。かつて「都銀13行・大手20行」と呼ばれた各行は、段階的な合併を繰り返したのち、2006年には4大銀行(三菱東京UFJ、みずほ、三井住友、りそな)、3大メガバンク(三菱UFJ、みずほ、三井住友)体制に落ち着いた。いずれも効率性の向上が課題。
メキシコ通貨危機
1994年12月頃からメキシコの通貨ペソに対する国際金融市場の信認が失われ始め、ペソ資産からドル資産への乗換えが急速に進んだ。12月20日、ペソを15%切り下げたが売り圧力に抗しきれず、12月22日こはそれまでの管理フロート制から変動相場制へ移行。この過程でメキシコ政府の外貨準備は急激に減少、ドル建て短期国債(テソボノス)のデフォルト懸念が高まった。95年に入ってからもペソ売り圧力は容易に収まらず、市場心理の動揺は他の新興経済にも波及した。95年の1ドル=80円という超円高の要因にもなった。
メキシコ・ペソ
MXN。メキシコ合衆国の通貨。表示は「$」のマークが使われるが、ドル・マークと紛らわしいため、最後にMN(MONEDANACIONAL、 メキシコ国の貨幣であるという意味)と付記することがある。経済的にアメリカへの依存度が高く、輸出額の約9割、輸入額の約7割、直接投資受入額の6割をアメリカが占める。
メジャー・カレンシー(Major Currency)
外国為替市場で、多くの市場参加者が、頻繁に売買している通貨。現在の外国為替市場では、USD(米ドル)、JPY(日本円)、EUR(ユーロ)、GBP(英国ポンド)、CHF(スイス・フラン)。それ以外の通貨は「マイナー・カレンシー(Minor Currency)」
モーゲージ証券(MBS : Mortgage Backed Securities)
住宅ローンを担保として発行された債券。政府系機関などから元利金の支払保証が付いているものが多い。アメリカではジニーメイ・ファニーメイ・フレディマックにより大部分が発行され、米国国債と並ぶ高い信用力を有している。
戻す
下げ歩調の相場が反発して、ある水準まで回復すること。
戻り売り
下げ相場のとき、一時的に高くなったのを見計らって売ること。
モフ(MOF:Ministry of Finance)
財務省。銀行などの財務省担当者は「モフ担」。
揉み合い(もみあい)
小幅な値動きを繰り返すこと。小幅に一定の範囲を上下するだけの小動きの状態、またはほとんど動かない状態のこと。
模様眺め(もようながめ)
相場の基調がさほど変わらないときに使われる。相場の動きがはっきりしないために、売買が手控えられている状況。
モラトリアム(Moratorium)
債権者が債務者に対して債務の返済を一定期間猶予すること。支払い猶予、返済猶予。国家不安が高まった際など、債権の回収が増加することで回収が困難になり、国家の信用の低下が招かれるような事態が予想されるときなどに行われる。
モラルハザード(moral hazard)
規律の喪失、倫理観の欠如した状態のこと。政府の規制を整備する際に、それに伴って発生した行政機関と対象企業との癒着や仲介役の政治家の利権行動などにおいて、モラルの欠如した行動が発生することが少なくない。また、金融においては、セーフティネットの存在により、金融機関の経営者、株主や預金者等が、経営や資産運用等における自己規律を失うことを指す。
モンテカルロ・シミュレーション(Monte-Carlo Simulation)
式を逆算しても答えが求められないようなモデルについて、乱数を用いて数千回、数万回の計算を繰り返し、統計的に答えを出す手法。確率計算などに用いられることから、カジノで有名なモンテカルロの名がついた。