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為替イブニング海外市場2024年11月15日

2024年11月15日
(コラム執筆時間:19時09分)

鈴木予想レンジ

※コラム執筆時点における、筆者の予想レンジです。

通貨ペア予想レンジ
ドル円154.50~156.50
ユーロ円163.00~165.00
ユーロドル1.0480~1.0650
豪ドル円95.50~101.30
相場状況の振り返りと今後の展開予想

加藤財務相は行き過ぎた動きには適切な対応を取り、投機的な動き含め極めて高い緊張感を持って為替を注視などの発言し、これが嫌気されて相対的にドルを手仕舞う動きが優先されている。とは言え、FRBの利下げ観測が後退しつつあり、ドル高基調に大きな変化は見られていないなど、最早、為替介入しか術がないのが現状なのかもしれない。そんな中、政府日銀としても効果的な実弾投入が求められており、現時点ではドル円157~159円前後が有力視されている。一方、補足的になるが、一部では実弾投入には米国の容認が必要との見解もあるが、米国の一人勝ちの状態から察すれば政府日銀も独自の金融政策並びに為替介入を導入すべきであろう。そして財務省が保有する米国債も高水準にあり、また為替介入に必要な米ドルの外貨準備高も十分すぎるほど山積しており、基本的には米国に媚びることなく独自路線を貫くことも必要であろう。とは言え、石破政権下の弱体性を考慮すれば、日米同盟の強化も捨てきれない情勢にあり、どうしても弱腰外交になる可能性が高く、過剰期待は自重局面にある。引き続き神経質な展開が予想されるが、レンジ幅を従来よりも拡大し、相場が大きく動意づいてからナンピン売買に特化することも一案であろう。

一方、ドル円は日米金利差拡大を背景に底堅い展開が続いているが、政府日銀による介入操作への警戒感も強く、安易にどちらにも仕掛けづらい状況に置かれている。引き続きレンジ幅ドル円154.50~156.50円まで拡大し、同レベル前後から少なめのナンピン売買で対応することが賢明であろう。

他方、ユーロドルは特筆すべき買い材料が皆無に等しく、依然として戻り売りが優先されている。ただ流石に節目の1.05前後では利益確定買いを含めたポジション調整買いが散見されており、拙速的な下値トライは慎重になっている。引き続きレンジ幅ユーロドル1.0450~1.0650を重視し、同レベル前後からナンピン売買が賢明であろう。

●戦略的には、ドル円は前述したレンジ幅を重視し、154円台半ば前後から押し目買いと共に、156円台半ば前後からナンピン売りで待機することを勧める。一方、ユーロドルは1.05割れから押し目買いと共に、1.06台半ば前後からナンピン売りで待機することを勧める。

●邦銀勢によれば、様子見スタンスを強める中、輸出企業はドル円156円台半ば前後を中心に、現状では156円台以上からナンピン売りで待機姿勢を強めている模様。一方、輸入企業は155円割れ視野に、154円台半ば前後から押し目買いで待機姿勢を強めている模様。

●海外勢によれば、方向感に乏しい中、米債券利回りの高止まりを背景に戻り売りが優先されているが、ユーロドル1.05割れでは割安感のポジション調整買いが散見されおり、拙速的な下値トライは慎重になっている。現状では1.06台半ば前後からナンピン売りと共に、1.05割れから押し目買いで待機姿勢を強めている模様。

●クロス円は、ドル円154円台半ば前後ではロング、156円台半ば前後ではショートをイメージし、ユーロ円は163円前後から押し目買いと共に、165円前後からナンピン売りで待機することを勧める。一方、豪ドル円は99円台半ば前後から押し目買いと共に、101円台半ば前後からナンピン売りで待機することを勧める。

市場ストップロス・オーダー状況
通貨売り買い
ドル円154.00157.00
ユーロ円162.50165.50
ユーロドル1.04001.0700
豪ドル円99.00102.00

※筆者の独自取材による、国内機関投資家などからのストップロス・オーダーが多く出ているラインです。
新規注文の際や、保有ポジションの見直しを計るうえでの参考のひとつにしてください。

トレード実績

筆者の個人的なトレードによる収支実績及び売買予定を公開しています。
※文中の記号・略語については巻末の解説をご参照ください。

市場のストップロス・オーダー状況
通貨売り買い
ドル円154.00157.00
ユーロ円162.50165.50
ユーロドル1.04001.0700
豪ドル円99.00102.00
現在のポジション
ユーロドルロング50,000☆1.0500(SL1.0450売り)
前日の実行ポジション
ドル円ショート50,000★▼155.00(SL156.00買い)-¥50,000
ユーロドルロング50,000★▼1.0650(SL1.0500売り)-$750
2024年11月収支経過 (11/01~15日)
通貨プラスマイナス前日比
ドル円+¥10,000-¥15,000
ユーロ円±¥0
ユーロドル-¥123,300(-$750)-$750
豪ドル円+¥70,000
前日の売買 東京市場
ドル円売り50,000☆156.00(SL156.50買い)
前日の売買 海外市場
ユーロドル買い50,000☆1.0500(SL1.0450売り)
本日の売買予定 東京市場
ドル円売り50,000157.00(SL157.50買い)
ドル円買い50,000☆△155.30(156.00ショートカバー)+¥35,000
ユーロ円売り50,000165.50(SL166.00買い)
ユーロ円買い50,000163.50(SL163.00売り)
ユーロドル売り50,0001.0650
ユーロドル買い50,0001.0450(SL1.0400売り)
豪ドル円売り50,000101.80(SL102.30買い)
豪ドル円買い50,000100.00(SL99.50売り)
本日の売買予定 海外市場
ドル円売り50,000156.50(SL157.00買い)
ドル円買い50,000154.50
ユーロ円売り50,000165.00(SL165.50買い)
ユーロ円買い50,000163.00(SL162.50売り)
ユーロドル売り50,0001.0630
ユーロドル買い50,0001.0480(SL1.0400売り)
豪ドル円売り50,000101.30(SL102.00買い)
豪ドル円買い50,00099.50(SL99.00売り)
記号・略称解説

ロング=買い、ショート=売り
△=プラス、▼=マイナス
☆新規、★実行済み
SL=損失確定(Stop Loss)
TP=利益確定(Take Profit)

本レポートは朝夕2回配信。土日及び祝祭日は無配信のためSLのみ提示。
指値注文タイムリミット:東京市場 17:00、海外市場 5:00(日本時間)
SL/TPは最大100pips前後を目処に実施。最終のご判断は自己責任にてお願いいたします。

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プロフィール

  • 著者近影 鈴木郁雄(すずきいくお)
    フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネラル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず、デリバティブなどマネー部門を統括。 2001年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーと 親密に情報交換し、投資家心理を交えて独自の分析に定評がある。

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