FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > 為替大観 > 第593回 ~相場秋の陣の幕開け~
為替大観

最新の記事

第593回 ~相場秋の陣の幕開け~

2024年09月04日

米国株式相場が急落したことを受けて、日本でも株は暴落した。金融市場は風雲急を告げてきた。ドル円も今週初め147円台に乗せたのもつかの間、今日は一時145円割れまでドルは下落した。「日本は金利も上がるし、観光客も押し寄せて景気もよさそうだ」と、日本企業への買収の動きも目立つようになり、円に資金が流れてきていることを感じる。

さあ「相場秋の陣」の始まりだ! 個人的な年末のゴールは、ドル円136円である。

さて、アメリカでは9月第1月曜日は特別な祭日である。その日をもって夏休みは終わり、バック・ツー・スクールとも呼ばれるが、翌日(すなわち火曜、昨日3日)からはその年の最後のまとめ(追い込み、決算、区切りなど)に入る。10年近く米国に住んでいた身としては、新年明け1月2日の米国市場と同じ感覚となる。

欧米ではクリスマス休暇が日本でいえば正月休暇となり、休みは1月1日のNew Year’s Dayで終わり、1月2日からは休み気分は全くなし、朝早くから通常通りに始まり、ディーラーは頭をまっさらにして勝負に出る。昨日のNY市場は、そんな空気が市場を覆っていたと想像に固くない。折しもほぼ10日前にはパウエル議長の利下げ開始の号砲がなった。金利低下を株高の力とするのでなく、景気後退(→企業業績悪化)に結びつけたことで、株下落の引き金となった。

株式市場を中心に「セル・イン・メイ(Sell in May、5月に売れ)」と言う格言があるが、この後に「9月に戻って買い直せ」との言葉があることは周知のとおりである。専門誌はこぞって、この言葉のバックデータを取り上げているが、9月は確かに「相場は下落する傾向が強い。世界全株式に投資するファンドMCSIの業績を調べた記事があったが、過去5年の月間騰落率では、9月が-4%と一番下落率が大きい。9月に買うとそのあと利益のチャンスが多い(過去の統計的、経験的だが)」、ともいえる。同じ調査では、10月+1.6%、11月+5.7%、12月+2.5%と上昇している。今年は米大統領選挙があるので一概には言えないが、参考にしたい数字である。

ではドル円ではどうなっているか? と思い、調べてみた。簡便法だが、9月末(買)と12月末(売)を比較したものだが、過去2年は2連敗、過去5年でも2勝3敗である。より厳密に統計を取れば違う結果もあるかもしれないが、特にアノマリーになるような結果ではないと自分では結論付けた。やはり常日頃の市場観察、訓練、経験が大切であろう。

今月は中央銀行の政策決定会合の月である。特に、米国FRBの決定に大きな影響を及ぼすであろう米経済指標を下記にまとめた。昨日はISM製造業景況感があり、総合指数は先月(46.8)より改善したが、予想(47.5)より悪い47.2であった。そのため市場の失望感からドルは下落した。
   指標     市場予想   (先月実績)
4日 JOLTS (求人数)  810万人    (818.4万人)
   貿易収支    743億ドル赤字 (731億ドル赤字)
   ベージュブック
   カナダ中央銀行金融政策決定 0.25%引き下げ予想 現在4.50%)
5日 ISM非製造業景況感 51.1 (51.4)
6日 雇用統計(CPIと並んで、最も重要な指標の一つ)
    NFP      16.5万人   (11.4万人)
    失業率     4.2%     (4.3%)
<注>
1. JOLTS      :求人労働移動調査、パウエル講演で注目された指標
2. ベージュブック   :12地区連銀がまとめ地域経済状況報告
3. NFP       :非農業部門雇用者数

そこで、今後1週間の相場見通しであるが、ドル円は、やや広めだが143.00-146.00円とを予想する。一方欧州通貨は、ユーロドルは1.0950-1.1200とややユーロ安を、また対円では先週と同じ159.50-162.50円と予想する。そして英ポンドドルは先週と同じ1.3100-1.3300と予想する。

(2024/9/4、 小池正一郎)

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・SBI新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引、証券取引、および暗号資産CFD取引(暗号資産関連店頭デリバティブ取引)に関するご注意


【パートナーズFXおよびパートナーズFXnano】
パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの建玉必要証拠金金額は原則、一般社団法人金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第31項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。但し、一般社団法人金融先物取引業協会が為替リスク想定比率を算出していない通貨ペアにつきましては、一般社団法人金融先物取引業協会と同様の算出方法にて当社が算出した為替リスク想定比率を使用しております。取引手数料は無料です。なお、外貨両替については1通貨あたり0.20円、受渡取引については1通貨あたり0.10円の手数料をいただきます。

【CFD-Metals】
CFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。

【証券】
国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.75%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,750円(消費税込み)をいただきます。有価証券のお預りが無く、一定期間証券口座のご利用が無い場合等は、別紙 ①「手数料等のご案内」に記載の 証券口座維持管理手数料1,100円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

【暗号資産CFD】
暗号資産は法定通貨(本邦通貨又は外国通貨)ではなく、特定の者によりその価値を保証されているものではありません。暗号資産は、代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り代価の弁済に使用することができます。暗号資産CFDは、取引時の価格の変動により、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。暗号資産CFDの取引に必要な証拠金は、取引の額の50%以上の額で、証拠金の約2倍までの取引が可能です。取引にあたり、営業日をまたいで建玉を保有した場合にはレバレッジ手数料が発生します。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会 一般社団法人日本暗号資産等取引業協会

このページの先頭へ

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > 為替大観 > 第593回 ~相場秋の陣の幕開け~