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第752回 米国経済の著しい回復を反映してドル強含みの展開が続く

2021年04月05日

 先週1日、米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した3月の米製造業景況感指数は64.7と、1983年12月以来37年3ヵ月ぶりの高水準に達した。また、翌2日に発表された3月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数(NFP)の伸びが前月比91.6万人と事前の市場予想を大幅に上回る結果となった。
 より注目すべきは同月の労働参加率が61.5%まで上昇した(前月は61.4%)ことで、同数値の推移については3月24日に米議会上院銀行委員会で証言の場に臨んだパウエルFRB議長が「労働市場の『極めて望ましい』改善」と表現していた。
 兎にも角にも、このところの米国経済の著しい回復ぶりには大いに目を惹かれる。強めの指標・データが次々に飛び出し、先週30日に発表された3月の米消費者信頼感指数も109.7と、事前予想の96.9を大幅に上回って1年ぶりの高水準に達した。消費者心理の改善は、いずれ実際の消費行動を活性化させ、将来的な物価やインフレ率の上昇につながって行く可能性が高い。そのスピード感によっては、当局の政策対応が前倒しになる可能性もあり、今後も米消費関連のデータからは目が離せない。

 先週末2日は、グッドフライデー(聖金曜日)で米国債市場も短縮取引となったが、米雇用統計の強い結果などを受けて米10年債利回りは一時1.73%まで上昇。結果、ドルが買われる展開となり、ドル/円も一時110.75円処まで上値を伸ばす場面があった。
 前回更新分の本欄で「もはや昨年6月高値=109.85円や心理的節目の110円処ですら一つの通過点」と述べたが、案の定、先週30日に110円台に乗せてからの動きには勢いがあった。既知のとおり、翌31日には一時110.97円処まで上値を試しに行く展開が見られており、前回述べた当面の上値の目安と思われる「昨年3月24日につけたコロナ・ショック後の高値=111.71円」を意識した展開となる可能性も高まっていると言えよう。
 やはり、3月下旬に2015年6月高値(=125.85円)と2020年2月高値(=112.23円)を結ぶ「長期レジスタンスライン」をクリアに上抜けたとことが一つには大きい。加えて、日足チャート上で今まさに89日移動平均線(89日線)が上向きの200日移動平均線(200日線)を下から上に突き抜ける「ゴールデンクロス」が示現しようとしている点も見逃せない。
 目下のところ、ドル/円の111.00円手前にはかなりの売りオーダーが居並んでいる模様であるが、ひとたび111円台乗せとなれば前記の111.71円処や、2016年12月高値から2020年3月安値までの下げに対する61.8%戻し=111.98円処を試すような展開となることも十分に考えられると思われる。

 一方、ユーロ/ドルは先週31日に一時1.1704ドルまで下押す場面が見られていたものの、今のところは1.1700ドル処の節目が下値を支える格好となっている。3月23日に1.1900ドル処をクリアに下抜けてから下げが一気に勢いづいたことからして、このあたりで一旦は買い戻しの動きが生じるのも道理と言えよう。
 とは言え、イースター(復活祭)の休暇期間中もロックダウンに伴う制限を一層厳しくしているドイツの実情や、マクロン大統領が入院患者の「爆発的増加」を警告しているフランスの窮状などを勘案するに、やはり当面はユーロ買いを積極的に進めることも躊躇われる。一部からは、ユーロ圏で第2四半期にワクチン供給が大幅に増加することを期待したいとする声も聞かれているが、どのみちユーロ圏でのワクチン展開が米国や英国の状況に対して大きく見劣りすることに変わりはない。
 よって、目先的にはユーロ/ドルが1.1800ドルあたりまでリバウンドする可能性もあると思われるものの、そこは基本的に戻り売りの姿勢で臨みたいと個人的には考える。再び1.1700ドル処を試し、同水準をクリアに下抜ければ、次に昨年11月安値の1.1603ドル処が意識されやすくなると見られる。
(04月05日 07:00)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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