芳しくない「米雇用関連指標」を背景に台頭していた「米早期利下げ観測」は、先週末の「米雇用統計」で一気に巻き戻されました。
非農業部門雇用者数は“予想を大きく上回り(前月比+27.2万人)”、平均時給も“強め(前月比+0.4%/前年比+4.1%)”でした。
失業率こそ“わずかに悪化(3.9%→4.0%)”しましたが、短期金融市場では「米9月利下げ」ならびに「年内1回利下げ」の確率を“40%程度”まで低下させています。
こうして米10年債利回りが“急上昇(4.27%→4.43%)”を見せる中、一時“155円前半”へと下落していたドル円は“157円台(高値は157.061円)”へと駆け上がりました。
この後は“利益確定売り”にてやや“上値の重さ”が目立っていますが、“レンジ切り上げ”は鮮明であり、“156円絡み”に凝縮していた「主だったテクニカルライン群」を一気に上抜いたという事実は残りました。
いわゆる“逆サプライズ”といった動きですので、こうなると“もう一段の上値模索”に対する期待は大きいといわざるを得ないのが実状といえます。
ただし今週は順に「米CPI」「FOMC」「日銀会合」と、先週よりもさらに大きなイベントが目白押しの週となります。
「FOMC」では“据え置き”が確実視されていますので、ポイントは「金利見通し(ドット・チャート)」ということになります。
ここで前回時に示された「年3回利下げ」がどこまで変化するか…?
一方の「日銀会合」では“さらなる国債買入減額”が示される可能性はゼロではないものの、植田総裁は『インフレ2%に定着するにはまだ距離がある』と先週6日に述べるなど“慎重姿勢”を崩しておりません。
それでどこまで…?
いずれにしても思惑にて“揺れ動き”という可能性は否めませんが、発表までは“結果を見極めたい”との思惑が台頭しやすいと見るのが妥当なところ…。
“決め打ち”は厳禁ですが、少なくとも“一方向への動意”は抑制されると見ながら、神経質なマーケットも対峙したいところです。
《11:35》
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