新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【好調な経済とインフレの上昇】
1日発表された第2四半期のGDPは前年比21.7%と予想と一致しましたが大きな上昇になりました。サービス部門が前年比45.8%、工業部門が40.5%、情報・コミュニケーション部門が25.3%と成長をけん引しました。
一方で高成長の影響でインフレ率の上昇が国民生活の悪影響を与えています。7月のインフレ率は18.95%、3日に発表される8月のインフレ率も18.7%と依然とし高水準でトルコ中銀の目標である5%を大きく上回っています。
そのような中でカブジュオール・トルコ中銀総裁は1日の投資家との電話会議で利下げ局面が近いことを示唆しました。これまで声明で政策金利を物価上昇率より高く保つ、引き締め的な姿勢を断固保つという方針に変化が出ていた可能性が指摘されました。
USD/TRY 日足BIDチャート
ドルの下落によってドルトルコリラは8.65リラから8.28リラにドル安リラ高が8月中旬以降続いていますが利下げとなると再びリラ安になるリスクがあります。トルコ中銀の会合は9月23日に予定されており注目されます。
ドルトルコリラは8月11日の高値8.6762リラから8.2740リラ付近にドル安リラ高になっています。6月以降の安値8.28リラ付近を下抜けしつつあります。このレベルを完全に下抜けすれば8リラ付近への下落を予想します。
TRY/JPY 日足BIDチャート
リラ円は上昇トレンドが続いています。13.308円まで上昇しています。13.10円付近が短期的なサポートになっており、ここが維持できれば上昇トレンドは継続、13.50円付近への上昇を予想します。
【ランドは堅調に推移】
南アランドは8月20日に15.3850ランドとドル高ランド安になりましたが、その後はドル安ランド高となり13.3037ランドまで下落しました。
GDP統計の基準年改定で2020年のGDPが11%上方修正されたことはランド高の材料になりました。
パウエルFRB議長のジャクソンホールでの発言以降はリスク選好の流れでドル売りとなり、ランドもその恩恵で上昇しました。
USD/ZAR 日足BIDチャート
ドルランドは14.3037ランドまで下落しましたが、8月4日の安値14.2127ランドがサポートされ14.4475ランド付近に上昇しています。14.20付近がサポートされれば14.80付近への反発を予想します。
ZAR/JPY 日足BIDチャート
ランド円は8月20日に7.116円まで下落した後は上昇に転じ8連騰となり7.675円まで上昇しました。
一目均衡表の雲の下限が位置する7.5円付近がサポートされれば7.5~7.75円のレンジを予想します。
【ペソは高値圏での推移】
報道によると7月の海外からメキシコへの送金額は45億4025万ドルと前年同月比29%増加となり過去最高になりました。メキシコへの送金は米国が主要な送金先です。米国経済が堅調に推移し失業給付も手厚いために米国からメキシコの家族への送金の増加になったようです。
これらの送金はメキシコでの民間消費の回復に役立っています。
メキシコ中銀は1日、35の民間金融機関の予想句を集計し21年の実質経済成長率が5.99%なるとの見通しを公表しました。この数字は8月公表の6.06%から低下しました。
USD/MXN 日足BIDチャート
ドルメキシコペソは20.4172ペソまで上昇しましたが、その後は下落し19.9597ペソ付近で推移しています。8月20日も20.4466が高値となっており、このレベルがレジスタンスとなっています。
一方で19.75ペソ付近は7月以降サポートされており19.75~22.45のレンジは継続と予想します。
MXN/JPY 日足BIDチャート
ペソ円は8月23日に5.371円まで下落しましたが、その後はリスクオンの流れでドル安ペソ高となり5.518円まで上昇しました。一目均衡表の雲の下限が位置する5.46円付近が短期的なサポートとなりここが維持できれば5.46~5.62円のレンジを予想します。5.46円を下抜けした場合は5.4円付近への下落を予想します。